observe carefully

Tuesday, October 10, 2017

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Gib’ echt viele Missverständnise über meinem Arbeit…!
Das ist MALEREI,ok?

これはPrincess at Workを制作時のパレットとその周辺。

Got started the riot

Monday, October 2, 2017

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箱根のポーラ美術館にて個展が始まりました!
ギャラリーのオープニング展に選んでいただくということは作家冥利につきる光栄なことで、可能な限り最大限の謝意と敬意と気力を展示全体に注ぎ込んだ今夏でした。
オールドマスターズの傑作群を擁するポーラ美術館初の現代美術展。その場にふさわしい展示内容とは…というコンセプトの立ち上げから、オープニングを美術作家として祝い上げる仕上げとしての新作の制作等々目の回るように忙しい毎日でした。
昨日無事にキックオフを見届けてホッとしたところです。
新作「Princess at Work」では初めて日本の洋画をアップデートしたオイルを描きました。
その洋画とはポーラ美術館所蔵の黒田清輝の「野辺」なのですが、制作に至った経緯等はまた別の機会に詳しく説明できればと思います。取材に来てもらったプレスの方々はもうご存知のことだけど、この作品と初めて対峙した22歳当時のわたしにとって強烈な鑑賞体験がそこにはあり、改めて女性性という問題と向き合う機会になった作品です。

いつも思っているのは、作品が正しく評価され、あるべき場所に展示されたり届けられるところまでの手助けをするのがアーティストだということ。そこには制作することももちろん含まれていて、美術作品として美しく生まれ、自立し、一人歩きができるようになるまでの全てを任されているのが作家という職業だとわたしは考えています。
こんな立派な展示場所で堂々と美しい姿を披露でき、わたしの作品たちも幸せだと思います。
今回本当にたくさんお世話になった担当学芸員の工藤さん、イムラのアシスタントさん、作品を貸し出してくださった美術館や個人コレクターの方々に心より御礼申し上げます。

昨日のプレカンのためにPINKOの新作ドレスを買ったのだけど、評判が上々でがんばった甲斐がありました笑 フランスの繊細でフェミニン一辺倒なデザインにはない、イタリアのタフでヨーロピアンなセンスの良いドレスが揃うPINKOはよく買うお気に入りブランドです。
あと割と最近一目惚れで買ったフランクミュラーの限定50本の時計もメディアの方にキャッチされていたので、写真お借りしますね!(@ROBEさん)

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激務だった月末月始を乗り越えて、今日は数日ぶりのお休みだったけど、一番最初にしたこととは部屋の掃除笑
毎日どんなに疲れてても玄関とキッチンとダイニングを完璧に綺麗にしないと眠れない質なのだけど、やはり今日もまた掃除から始めるあたり、悲しいほど自分らしい…!
あと、外食やコンビニ食が続いたから今日はゆっくり自炊料理を楽しみました。かぼちゃを煮たり、きんぴらを作ったり、やはり自宅で作って食べる食事は美味しいしホッとする。仕上げに二時間くらい入浴して着心地の良い寝巻きに着替えたらあとは寝るだけ。
「There is no place like home」はオズの魔法使いで主人公が家に帰るための呪文なのだけど、本当にお家が一番。おしゃれで清潔な自慢のお家。

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そうそう、死ぬように忙しいさなか、雑誌QUOTATIONのインタビューを近所のカフェで受けて、最近発売になりました。8ページにわたるフルカラーの内容になっているのでぜひ読んでくださいね。

最近ものすごく色々がんばったので、なにか嬉しいご褒美がありますように♡

早稲田文学 女性号

Wednesday, September 20, 2017

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届きました♡
早いところで明日本屋さんに並ぶそうです
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とても綺麗な印刷!
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文学ファンとしては伝統ある早稲田文学に図版という形で掲載いただけることが本当に光栄で。しかも川上未映子さん責任編集号という!

みなさま、宜しくお願いします^^

今は年末の台湾での展覧会に向けての制作をスタートさせたばかりだけど、来週はポーラ箱根のインストールやシェル美術賞の審査会等々大忙し。
気分転換にスイーツとかスイーツとかたまにしょっぱいものとか、美味しいもの食べに行きたいな

soon in Hakone

Friday, September 8, 2017

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self portrait

Tuesday, July 25, 2017

現在東京芸術大学美術館で開催されている「藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!」に学部を卒業時に提出した自画像が展示されています。
2007年に同じく芸大の陳列館で行われた「自画像の証言」展でも一度展示されている2002年の私。
先日行われたオープニングで二度目の再会を果たしましたが、とても綺麗な保存状態で展示していただけていて感激でした!
この展覧会は芸大130年の歴史を足早かつ的確に一望できる面白い内容になっているのですが、個人的にはやはり自分の作品もある卒業生の自画像コーナーが一番面白かった。
お世話になった教授たちや、日本の現代美術を牽引している諸先輩がたの卒業当時の自画像は本当に素晴らしい日本美術史の資料です。
オープニングで会田誠さんにお会いした時どんな気持ちであの文庫本の自画像作品を制作したのかお聞きできたのだけど、とても会田さんらしくて楽しかったなぁ。
恩師であるO JUN先生の自画像は芸大一年生の時取手の授業で見せてもらったことがあるのだけど、その時やはりご本人から制作秘話(?!)をお聞きしたことを思い出したり。
現在の作品と通じる表現の方もいれば、全く違うスタイルの方もいるけど、描く側の人間、同じ上野の地でエデュケーションを受け、同じような卒制のプロセスを共有しているので、どの作家さんの自画像もふむふむウフフと理解できることばかりでした。

 

卒業当時の私は蝶というモチーフが気に入っていて、卒制本体である150号油彩にもたくさん登場させました。
蝶々は美しい羽を持ちひらひらと飛ぶ優雅な様子が目を喜ばせる反面、昆虫そのものといったグロテスクなディテールも当然持ち合わせていて、その両面性が当時の私の心を掴んでいました。
学部卒業から大学院の一年生くらいの間によく蝶をモチーフにした作品を描いていたのだけど、蝶はメタモルフォーゼする生き物ですよね。
学部から院に進む変化の時期だからこそ、無意識ながら変身の象徴としての蝶を選び描いていたのだと今となれば思います。
あの頃の私は常に自分の作品を良くしたい、変えたいと望んでいて(もちろん今もですが。)ドイツ留学のことばかり頭にありました。美しく変身をして、一箇所に留まることなく自由に移り飛ぶ蝶に憧れていたのでしょう。海外に移り住んで変貌を遂げたいと毎日願っていた時です。
私にとって大学院進学はドイツ留学のための準備そのもので、実際院在籍中に語学留学をし、修了後すぐに文化庁の在研でドイツに渡りました。

2002年の夏、クーラーも設置されていない暑い暑い上野の絵画棟の8階にある第一研究室で、ショートヘアでノースリーブを着て欧州に憧れを持った一人の女の子の描いた自画像が、15年の時間を経て今ミュージアムピースとなっています。
6000枚以上ある卒業生の自画像の中からの選りすぐりの現代作家たちの自画像コーナー、ぜひみなさま足をお運びくださいね。

This isn’t Happiness展 オープニング報告、など

Wednesday, April 5, 2017

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5年ぶりとなった京都imura art galleryでの個展も残すところ今週いっぱいとなってしまいました。搬入に訪れた三月の京都はまだまだ寒くて梅が見頃だったけど、今はもう桜の季節。

3/11のオープニングは夕方ギャラリーに到着すると既に数名のお客様と馴染みの新聞記者さんがいらしていて、着くなり懐かしいお顔を見ることができとても嬉しかったなあ。この日は3つの新聞取材を受けて、日頃の自分の制作についてたくさん振り返る機会となりました。

パーティーも本当に盛況で、一時はすれ違うのがやっとなほどたくさんの方が来てくださり心から感謝です。ご挨拶できなかった方、申し訳ありませんでした!

今回の個展にあたりDMからパーティーまでいろんな方のご協力もあり、たくさんの華やかな意匠がオープニングを盛り上げてくれました。

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まずは協賛のPommeryさま。大好きなシャンパンPommery POPを惜しげも無く提供してくださりパーティーのイメージを作り上げてくださいました。今回のDM文字面のThis isn’t Happinessというフューシャピンクのロゴは、Pommery POPロゼの瓶の色と実は揃えていたのです^^フューシャピンクは私が世界一好きな色。パリのモノプリやボンマルシェで見かけては、その可愛い外見に見惚れ買いたいと夢見ていたPommery POPが私の個展で作品とともに皆様に楽しんでもらえたことが何より幸せでした。

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素敵なお料理を用意してくださったソウダルアさんにも感謝です。明るく楽しい色彩のお食事、本当に美味しかった。

This isn’t Happinessという言葉の持つ意味であったり、メインイメージに使った作品「les amies」が黒背景だったりとネガティブな印象を与えてしまう懸念があったので、展覧会ロゴはあらかじめポップなイメージを意識して作ってもらったのですが、そこにまさにポップシャンパンと、カラフルなお料理が振舞われて、皆様の展示に対する理解に頭が下がる思いでした。

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そして、それはそれは雰囲気のある素敵でひときわ大きなお花を贈ってくださったPOLA MUSEUM ANNEXの松本さん、いつも本当に有難うござます。さすが化粧品会社!と感動するハイセンスなお花です。ご本人もいつ見てもハイセンスな美人で憧れの女性です。

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可愛いキャンディーブーケをくださったのは裕美さん^^展覧会がおかげさまで本当に賑やかになりました。会期が終わったら東京の自宅にしばらく飾ろうと思います。

 

東京で展覧会をやると関西でやってほしいと言われ、関西でやると東京でやってほしいと言われ…たくさんの場所で見せることができれば一番だけど、私のように寡作な作家にはそれが難しいこともあります。その時々で自分の思う最高の作品を発表しているので可能な限り足を運んでもらえたら嬉しいです。

les amiesは高松市美術館に買い上げていただいたので、今月中頃から始まるコレクション展でしばらく公開されます。ぜひ皆様観に行かれてください。les amiesはこの数年内で一番の出来だと思います。基本作品は全てお嫁に行ってほしいし、そうあるべきと考えているけども、les amiesの突出した完成度は久々に手放すのが惜しいと思えた作品でした。

 

インタビューなどでは話したのですが、マグリットを扱った近作には隠れたテーマがあります。

2014年にブリュッセルの王立マグリット美術館を訪れたのですが、その際あまりのマグリットの低い画力に私は驚愕しました。彼のクオリティの高い作品の多くは海外にあるため、そこにはどちらかというと技術が低めの作品が多く、展示室もそのアラを隠すかのように相当照明が暗く設定されています。ここまでマグリットが絵が下手だと思っていなかった私はそこで一つのお節介を思いつきました。

「私の技術をもってすればマグリットが本当に見たかった風景を描き出せるのではないか」

これを裏のテーマとし、les amiesやla fille de l’hommeを制作したのですが、この隠れテーマを知らずに「絵の上手いマグリットの描いた絵画」と言い当てた浅田彰氏にはさすがの批評眼と唸らされました。

まだまだ引き続きマグリットへのお節介を続けるつもりですので皆様楽しみにしていてくださいね。

 

個展「This isn’t Happiness」ステートメント全文

Sunday, March 26, 2017

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This isn’t Happiness

2015年の春から大学で教鞭を執るようになったのだが、あまりに多くの学生が絵描きになりたい・アーティストになりたいと口にするので驚いている。

油画科で教えているので当然といえば当然だし、わたし自身が東京芸大の同科を修了してペインターをやっているのだから言わばその最右翼かもしれないが、思い起こしても若い学生時分、正直一度も絵描きを目指したことがなかったからだ。周りにも作家志望はそこまで多くなかった。
わたしが識っている中で長い西洋美術史をさかのぼっても秀逸な作家になればなるほど幸福なペインターはそう多くない。有史以来、幸せに満ち満ちている作家の作品は大抵おもしろくない。いつも何か物足りなさやら焦燥感やら孤独感やら、その他多くのネガティブな観念に囚われているからこそ、その作家や作品が鑑賞者の深い部分に刺さるのであり、つまりはアーティストという運命的職業が必ずしも幸せとは思えないのだ。
描きたいからではなく描かなければいけないから描いているうちにアーティストになってしまったわたしは、たくさんの若者がそんな美術作家に憧れを持つ現状を、微笑ましかったり少し不安に思ったりしながらも、彼らより少し前を走っている存在として可能な限りのサポートをしている。

与えて与えて与えることが作家の人生だ。
それは幸福ではないが、不幸とも思っていない。

本展にあたり用意した作品は従来と変わらず物故作家の有名作品をアップデートする「After Image」シリーズに類することが可能だ。引用元のマグリットであったりゴッホであったり、幸福に満ちあふれた人生を送ったとはお世辞にも言えない作家をチョイスしたことから、このような個展名を名付けるに至った。

Experiences Pommery Night2

Saturday, June 11, 2016

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Experiences Pommery Night

Thursday, June 2, 2016

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昨晩は180年の歴史あるシャンパーニュメゾン・ポメリーさんとのコラボレーション展示がアニバーサリーパーティー内でありました。わたしは最新作”Les amies”と旧作”Toilettes des filles”の二点を展示。
様々な写真は後日また載せに来ますが本当に素敵で楽しいパーティーだったので、余韻が残るうちに書き残しておきたくてdiaryにエントリーです。
華道家の珠寶さんとのコラボレーションでピアノを弾いた渋谷慶一郎くんとは久々の再会。パリ談義に花が咲きました。演奏、素晴らしかった。わたしは渋谷くんの音楽を尊敬しています。
他にもMEN’S CLUB編集長の戸賀さんとも数年ぶりに会えたし、全員俳優のたまごのカッコよすぎるギャルソンたちに美味しいシャンパンを惜しみなく次々にグラスに注いでもらって幸せな時間でした!
いつもはたくさん飲むと頭痛がする体質なのに昨日は全くしなかったし、ほとんど酔わなかったのはやはり上質なお酒だったからでしょうね。
改めてシャンパンの素晴らしさを知る機会にもなり、このコラボレーションにお誘いいただいたことを心から感謝いたします。

AERA STYLE MAGAZINE Vol.31

Tuesday, May 31, 2016

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今発売中のアエラスタイルマガジンに「Curtain」が使われています。岸本佐和子さんが翻訳したエドガル・ケレットの「子宮」という小説の扉絵としてなのですが、小説の奇妙な世界観とのマッチングが楽しいです。
ぜひ読んでみてくださいね。

この雑誌の中で鹿島茂さんが寄稿しているページがあるのですが、大好きなバタイユの「マダム・エドワルダ」について触れられています。
大学生の時に読んでほとんど内容を覚えていなかった小説なのだけど、ムッシュ鹿島のおかげで個人的に驚きの発見ができました。
というのも、マダム・エドワルダの舞台になっているパリの街角はまさに私が住んでいたポワソニエ大通りだったのです!登場する娼館があるのはフューシャピンクの地下鉄4番線でおなじみのサン・ドニ。お友だちが住んでいたので、ポワソニエ大通りを下りいつも歩いて通っていた場所。大通りの途中にある”屋根裏のパン”という名前のパン屋さんがとてもお気に入りで、そこのタルトシトラスを手土産にするのが定番でした。ちなみにこのパン屋さん、少し前に麹町に日本初出店して以降贔屓にしています。何度となく通ったサン・ドニ門についても小説の中では言及されているようで、まさかバタイユ小説の舞台に知らず知らずのうちに住んでしまっていたとは、と嬉しい気付きでした。
改めてパリに住むということは私が憧れた仏文文化を地で行くことなのだと教えてもらえたテキストでした。
これを機に再読して、パリを知る前の自分と、知っている今の自分の読後感の違いなどを楽しもうと思います。

We are the Revolutionあるいは預言者としてのアート

Wednesday, April 6, 2016

第二の故郷的ヨーロッパの街々で起こるテロにとても胸を痛めている。
パリはもちろんのことブリュッセルも何度となくパリから足を運び、親しみを覚えていた街だ。
先月のテロの一報をネットニュースで知った時、そこに写っていた光景に二つの意味で衝撃を受けた。
一つはもちろん空港の凄惨な風景。映画やドラマではない本物の壊滅的光景に一気に悲しみがこみ上げた。
もう一つ驚かされたことは、その写真が2008年にベルリンのハンブルガーバンホフ美術館で行われたヨゼフ・ボイスの大々的な回顧展「We are the Revolution」でわたしが撮影した黒板を使ったインスタレーションに構図から何からそっくりであったこと。
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言うまでもなく上はネットで流れてきた誰かの撮ったテロ現場の写真(ノークレジット)下はボイスのインスタレーションなのだが、一見無作為に散りばめられた黒板と、落ちて散らばる天井の板、イーゼルに立てられた黒板と、フライトを知らせる電光掲示板など酷似している。写真が撮られた場所も空港と、ハンブルグ行きの電車のターミナルだった元・駅、という点での類似が見られる。
ボイスはアートファンなら誰もが尊敬してやまない芸術家であり、先生であり、活動家である。フェルトハットがトレードマークで、社会性の強い作品群で世界中の尊敬を集めている伝説的人物だ。ドイツでもオーストリアでもフランスでも、ボイスは巨大な存在感を今でもヒタヒタと放っていて、どこに行っても無限に彼の作品に触れることができる。対峙する時は常に畏敬の念を覚えるので彼の作品の前に立つ機会が多い欧州の美術館では見終わった後いつも厳粛な気持ちになっていた。
黒板の作品にはボイス独特の理論やメッセージとも受け取れる文言が時に過密に、時にシンプルに書かれていて、We are the Revolutionという印象的なタイトルの展覧会において目玉的配置がされていた。ベストなポジションから撮影がしたくてわたしは自分なりにこのインスタレーションを一望でき、内容が伝わる構図を選んだつもりが、こうしてテロ現場で余裕のない状況で撮られたものと酷似する事実に色々考えさせられた。決して偶然ではないのである。

ボイスもそうだったように、アートというものは一種のシャーマニズム的側面を必ず持っている。3.11前に津波を描いていたペインターを数人知っている。わたしも自分の作品が何かを未来視していたことに後から気づいたことが幾度かあった。アートとは作家の個人的事情からばかり生まれるものではない。時代の空気を誰よりも敏感に感じ取り、時代が内包している無意識や事象をあぶり出すことがわたしたちの文化的使命なのだ。アートにあまり親しみのない人からよく「悲しい時は悲しい感じの絵になるんですか?」などという質問を受けるのだが、全くそんなことは起こらない。喜怒哀楽に関係なく、社会や時代が求めるものに絵画という形式で物質的に生み出し、輪廓を与えることがわたしたちの仕事なのだから、個人的な感情は何も作品に影響を与えない。

ボイスの黒板インスタレーションが何十年もの時間を超えて、現在の世界が抱える問題を予見していたことは極めてアートらしい出来事と言える。
展覧会タイトルは英語では”We are the Revolution”だが、ドイツ語では”DIE REVOLUTION SIND WIR”である。ドイツ語は動詞を必ず文章の二番目に持ってこなくてはいけないという文法的規則があるのだが、それ以外はどう入れ替えても良いとされている。
英語のタイトルをそのまま訳せばWIR SIND DIE REVOLUTIONだが、あえてのDIE REVOLUTION(the Revolution)を文頭に持ってきているのだ。言わずもがな「革命」を強調している。
世界中で起こっている革命的とも言い換えられる出来事、日本も今や対岸の火事ではない。
時代の流れを観察し、傍観者にとどまらず、選択を繰り返し、態度を明確にしていくことは現代美術家としての義務だ。

余談だが、ドイツ語が読み書きできるようになってからドイツ語圏の芸術に対する理解が一気に深まった。当たり前といえば当たり前なのだけど。
例えばウイーン郊外にあるエゴン・シーレ美術館に行き、彼の書いた手紙や、絵の隅に走り書かれた文字を英訳という分厚いフィルターをかけずに自分の言語として理解できたり、バッハの曲のタイトルが翻訳では「主よ、汝は…」と堅苦しく呼びかけていたものが親称的二人称「du」(きみ、とかあんた、に近い。決して貴方ではない。)であることがわかったり。言語の獲得は途方もない時間とお金がかかるが、それだけの価値が十二分にある。ちなみに語学学校代は全て絵を売ったお金で賄った。作品を買ってくださった方たちの応援を間接的に作家活動に還元しようと、当時院生だったわたしは語学獲得に懸命に励んだ。
日本に住んでいる今でもぼんやりしている時そんなに得意ではないはずのフランス語でものを思考していたり、英語の夢を見る。一人で家にいて、何かに驚いた時など咄嗟にドイツ語を口走る。自分が知っているアルファベットの単語が英語なのかフランス語なのかドイツ語なのかわからないこともよくある。ヨーロッパ人と会話していると理解してくれてしまうので誰も訂正してくれないから、会話している言語に対して外来語的に使用してしまい、きちんとその国の言葉にアジャストできていない瞬間がたまにあって気にかかることもしばしば。落ち着いたらまた語学の勉強に通おうと計画中である。

このたびはとんだことで

Tuesday, March 29, 2016

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直木賞作家である桜庭一樹さんの文庫本装丁にRed Shoes Diaryシリーズの作品イメージをお貸ししました。文春文庫より発売中です。

素敵な装丁で眺めるだけで楽しいです。水玉柄の靴下に呼応した「桜庭一樹奇譚集」の文字デザインや、靴の色と揃えられた下のテキストなど、作品が本のイメージと感応する様子は装丁画をお手伝いさせていただく時の醍醐味。
この絵はベルリンで描いたもので、ドイツ人の女の子たちの獣性に気圧されてその強烈さを絵画表現に落とし込んだものです。描きながらモチーフの女性に対し「あ、この子は目が一つしかないな」とぼんやり考えていました。構図外の世界に関してはいつも見手の想像に任せているけど、本来足に履くべき靴下や靴を手にはめてしまっている四つん這いのこの女の子は作家個人のイメージでは単眼の獣として描かれています。この絵を見た友人のミュージシャンが「目は一つかもしれないけどめっちゃ良い子っぽい」とも笑 作品は人の数だけ解釈があるなぁと。
先日遠方に住む叔母が欲しい本があり本屋に行ったところ、買う予定だったものの真横に偶然この本が並べられていたそうで(彼女は装丁をやったことを知らなかった)「彩ちゃんに呼ばれたわ」と嬉しそうに電話してきました。そういった突然の邂逅って何度体験しても面白いものです。

ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。

 

2011年のフローラ

Friday, March 11, 2016

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この絵のタイトルである「Flora」はギリシャ神話の女神の名前から由来する。元はクロリス(Chloris)という妖精だったが風の神ゼファーの愛を受け、花の女神フローラへと変身を遂げた女性だ。この作品はボッチチェリの代表作「春(La Primavera)」の右半分で展開される場面を現代的意匠でアップデートした作品である。
私はかねてから絵画の中で中世ヨーロッパの女性たちのお腹が膨らんでいることが興味深かった。当時の女性たちは皆一様にふくよかに描かれているが、それにしても腹部だけ異様に膨らんでいる。洋服のデザインのようだが、私には彼女たちが妊婦のように見えてならなかった。
2011年3月初旬、日本に帰国して初めての個展を控え、展示のメインである作品「Girls Start the Riot」を仕上げた私は残った短い時間でなにかもう一枚作品を描きたかった。オイルを描く時間はなかったから鉛筆で紙に描こうと思い、そこでふとボッチチェリのフローラを下敷きにしようと思い浮かんだ。フローラの持つストーリー自体がとても女性性が強く、平素フェミニンな切り口から作品を作る私の興味を強く引いたし、当時30歳になったばかりだった私もようやく自分の体内(胎内)にもう一つの生命を宿すことに対するリアリティーが湧き始めていたからだ。
ドイツで買った花柄のハイウエストのワンピースを着て、腹には綿を詰め、自らをモデルにして私はフローラに扮し絵画の中の彼女と同じポーズをとった。以前子どもを産みたての女性が手にその赤ん坊を抱いて全裸で壁の前に立つ写真を見たことのがあるのだが、彼女の内股には一条の血が稲妻のように走っていた。私はその写真に強烈な印象を受けて、出産ができる性の力強さの象徴のように感じ、妊婦フローラにも出血を描いた。妊娠と出血がパラレルで起きている絵になったがそれは流産を意味するわけではなく、あくまで強靭な生(性)を可視化した結果であり、絵画作品としての表現である。
描いている間に3月11日がやってきた。日常が崩壊した。その日はFlora(Study)に手を入れる気にはとてもなれなかった。
次の日から再び鉛筆を握った。電気が不足しているとのことから、アトリエの照明は最小限にしぼった。そのせいか出来上がった Flora(Study)は明度が低く、人物のプロポーションがおかしい。現代文明を享受し慣れ親しんだ煌煌と明るいアトリエから離れるとこうも作品の様相が違ってしまうものかと戸惑った。
2011年4月からの個展でFlora(Study)を発表後、私は同じものをオイルで描くことに決めた。こういう時だったからこそ女性のもう一つの生命を創り出せるという能力が尊く、何よりも必要なことに思えた。鉛筆より、より恒久性の高いオイルで作品を残す必要性があった。
後にChlorisという作品も派生的に描いた。こちらは出産する力強い女性というより、やはり元のストーリーに寄り添った、神に見初められ愛された女性の官能美がモチーフとなった作品だ。

Beautiful Stranger Goes To China

Saturday, February 6, 2016

先月は北京にも行ってきていて、そのことも書かなきゃいけないのだけどまずはこちらから。

台湾、香港は何度となく行っているけど初の中国本土。ましてや北京や上海など有名な街ではなく南寧という日本人にはあまり馴染みのないベトナム国境まで200km弱の亜熱帯の街…海外慣れしていると自負してるわたしにとっても少々ハードルが高い。
前情報が少なさすぎて不安だったけど、昨年末に参加中のビエンナーレ開催地である南寧に片道9時間、北京乗り換えで行ってきました。

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長旅の始まりは羽田から。早朝0830のチャイナエアーでまずは北京に。チャイナエアーは初だったのだけど、着席して30分でもうお尻が痛い。。。シートの質。。。おまけに飛行機が一時間近く飛ばなくて、二時間あった北京での乗り換え時間がかなり足りなくなる。リモワを引きずり12センチヒールのショートブーツで空港を走った走った…!やっとゲートに着いた頃にはすでにボーディングは始まっており、ギリギリ間に合ったという具合。
他の関係者は前日から南寧入りしているのだけど、私は天狼院さんのイベントで高階秀爾先生とトークがあったため自分だけオープニング当日入り。着いてすぐにパーティーに合流できるようにぴらぴらのワンピースとがっつりハイヒールで9時間の移動、なかなか苦行めいている。

これはトランジットの北京空港、噂通り真っ白
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そして乗り換えた飛行機はびっくりするほど小さくて古い機体の深圳航空…!シートが見たことないくらい狭い。前日の疲れもあり機内ではひたすら寝ていたので思いの外移動時間は短く感じられたのは良かった。

空港ではアシスタントのチャイニーズ男子カインが名前を持って立っていてくれて、迎車で夕食会会場へ急ぐ。
カインは英語が私よりも上手いのに、聞けば留学経験などもなく「I’m trying my best」だって。ベストを尽くしてるにしたってうますぎる。

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今回オーガナイザーが用意してくれたホテルは最高級五つ星でお部屋も広くすばらしかった。
ホテル内パーティールームで夕食会は開かれており、荷物を降ろして急いで合流。
アイリーンとも無事に落ち合え、ビエンナーレ参加作家やスポンサー、キュレーターの方々と楽しく会食。
みんな驚くほど良くしてくれた。食事もまさにチャイニーズで美味しかったけど、ひたすら注がれる白ワインがすごい個性的で、ボトルを見たらドイツ語が。見たことのないワインだけど中国では有名だそうだ(本当?)。
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みんなたくさんのお酒を楽しんでいたせいもあってか、男性たちが口々に中国で有名な邦人ポルノスター女性の名前を出しては「知っているか?」と聞いてくる。行く先々のテーブルで同じ質問を受けた。
最初は適当に対応していたけど、何回も続くうちに初対面の外国人に対しての会話には不適切なテーマすぎて嫌気がさしたので「すごく不快なサブジェクトなのだけど、中国の男性は日本人の女の子たちをその彼女と同様、性的に消費する対象として見たいの?」と聞いてみた。するとその場にいた中国人の女の子がタジタジと「そういう風には思っていないけど、彼女はあまりに有名だし、私たちは彼女しか日本人女性を知らないから…」とお茶を濁す回答。
日本の性産業がアジア諸国で大人気なのはネット等で見聞きして知っていたけど、どう考えても初めて会った女性に振る話題ではない。彼らに悪意がないのは承知の上で、良くも悪くも中進国らしいアンソフィスティケーティッドぶりを見た。

アイリーンに紹介されてお話しした70前後の偉いキュレーターの男性ももれなくその話題に言及してきた。
そして彼は私に美しい美しいと何度もフランス語と英語で言った口で「で、本当に中国人じゃないの?」とも。その言葉の裏には私に対し、自分の同胞・中国人であってほしいという願望が透けて見えた。
しかし「100%日本人です」と返すと「君は美しい。だから僕たちの敵ではない」と彼は言った。
「ファシズム。わかる?ムッソリーニとかあんな感じの。日本はファシズムの国だね?酷い国だけど君は美しから敵じゃない」そう何度も何度も言われた。
これぞ大陸の洗礼。予測はしていたからショックはないけど、それなりに考えさせられた。
思いの外男性たちは全員優しく歓待してくれたものの、日本は政敵(性的、と予測変換で出た。これもまた一つの真理。)だという気持ちも彼らは隠しきれない。
会食にはたくさんの美しい中国女性たちがいたけど、彼女たちにはあまり歓迎されている気がしなかった。
ああ、この懐かしい感じ。
ドイツに初めて住んだ時に感じたことと全く同じだ。
私は思いがけずアジアの中でも再び美しい異邦人になったのだ。
もちろんこの「美しい」にはたくさんのアイロニーが含まれている。
「自分より下だけど魅力的だ。」そうみんなの心の声が聞こえてきた。到着して二時間で彼らの本音たる中華思想に触れることができ幸運と思った。

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なんにせよ会食は楽しく終了。その後アイリーンと他の中国人アーティスト3人と市内へ繰り出し素晴らしいマッサージを受けて心地よくホテルへ戻った。
マッサージ安くて上手くてお部屋も可愛くって最高!毎日行きたいくらい。
なかなかいい夜だった。

DAY2
昼にアイリーンとホテルのラウンジで落ち合ってランチを食べてからビエンナーレ会場に向かう。
中国の皿うどん、トーチー入っててすごく美味しい。やっぱりアジアはご飯が美味しくて幸せだ。

南寧は日本ではあまり知られていないけど、十分に大きな街で驚かされた。方々へのタクシー移動もそれなりに時間がかかる。
ビエンナーレ会場は街中にあり、大きなビルの2フロアを使って展開されていた。
入り口にはたくさんのお花
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ビエンナーレは6割くらい中国人作家、残りはASEANの作家たちといった様子。
移流同源というテーマに沿って、多様性のある作品が並んでいた。
何人か面白い作家もいる。

運良く幾つかパフォーマンスが見れたのだけど、どれも本当に面白かった。
特にシンガポールの作家のパフォーマンスはショッキングなほど良かった。
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フィニッシュだけ見てもそこでなにかすごいことが起きていたのが想像できると思う

おもちゃから奇怪な音を出しながらのパフォーマンスだったのだけど、見とれていたら突然パフォーマンス中の作家が私の前に来て「このスイカを持って、この椅子に座って」と言った。
それまでも十分に刺激的で激しいパフォーマンスだったから自分がその中で何をやらされるのかとても怖かったけど言われるがまま従い座ってスイカを持つ。正直頭の上からペンキを掛けられるとか、スイカごとハンマーで打たれるくらいは覚悟していた。
みんなが見つめる中、私を含めたパフォーマンスが始まった。
会場の空気は緊迫感にあふれている。
突然背後から抱きつかれ、そのまま3分くらい動かない。
作家の驚くほど速い心音が私の皮膚の上で弾けた。
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その後はこんな感じで進んだ。性的メタファーに富んだ役目を思いがけずおわされた。
その場にたくさん女性はいたけどふわふわモヘアの白ニットを着て見るからに妙齢の女性といった風情の自分が選ばれた理由が良く分かった。
前日から中国において自分のジェンダーが意識される瞬間ばかり経験していたが、このパフォーマンスが自分の中進国においての見られ方を改めて明確にした気がした。一歩日本を出ればそれがどこであろうと自分は美しき異邦人なのだという真理である。
ショッキングな内容だったが不思議と嫌ではなかった。
早鐘のような彼の鼓動が私(に象徴させた女性性)に触れることへの畏怖や抗えない原初的衝動を伝えていなかったら印象は変わっていたかもしれないけども。
一見粗野で攻撃的な内容だが、きちんとアートとして昇華された良質なパフォーマンスだった。
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もう一人パフォーマンスした子は前日夜に一緒にマッサージを受けに行ったのだけど、片言の英語で一生懸命私のお世話をしてくれた優しい人と一変、なかなかにしてクレイジー。
躊躇なくみんなの前で全裸になり、床に這いつくばり、最後は目を自分の着ていた服で完全に覆って全力で壁に向かってダッシュ→激突(もちろんすごく痛い)を何度も繰り返す。
体を張った素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた彼に熱い拍手が起きた。

この二つの身体表現に私は完全にやられてしまった。
そして勝てないなぁと思った。個人戦はさておき、相対的に見たら今の中国という国に日本は勝てない。
そう感じた。
日本はソフィスティケイティッドされすぎて、コンサバすぎて、この野卑てギラギラ願望丸出しでエロスもタナトスもそのまま躊躇なく生命エネルギーに変換する中国という国の勢いに真っ向からは勝てない。
こういう瞬間、作家をやっていて、アートという切り口から世界を覗かせてもらい、計測させてもらい、自分の足で稼いだ地図を頭の中に作れる喜びを最大限に感じる。
アーティストで良かったなぁって。
世界はこんなにもまだまだ面白い。
家でpcぽちぽちやってても絶対に見ることができない世界は、健康であれば何処へでも行って見て聞いて触れられる。
アーティストはハイパーツーリストなのだ。

market
夜はスタッフの子たちに誘われ街のナイトマーケットで夕飯を食べた。
これがまたものすごーーく美味!ベトナムに近いのでやはり南国っぽい食材が多いのだけどどれもこれも本当に美味しかった。

dinner

南寧のスタッフとは今でもwechatで毎日やりとりするほど仲良くしていたり、いつかまたここを訪れることができたらいいなと思っています。
たまには全く情報のない街を現地人を頼りに旅をしてみるのも面白いもの。
異邦人の旅はまだまだ続きます。
北京の日記を書きたいのだけど忙しすぎていつになることやら..

RED PAINT HILL

Sunday, January 24, 2016

先日ここで言及した英語インタビュー記事がアップされました。
スマホで見るとレイアウトが可愛いなぁ。

http://www.redpainthill.com/#!blank/z4vjv

日本のメディアでは過去になかった質問もあり、とっても面白い内容なのでぜひ読んでみてくださいね〜

12月末に行った南寧の日記、ほとんど書き上がっているのだけど忙しくてアップしてないな。そうこう言っているうちに今月末また北京に行ってきます♪めちゃめちゃ楽しみだーーーーーー♡

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