高橋コレクション 顔と抽象展

Saturday, March 24, 2018

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先日オープニングがあったので初めて清春芸術村にお邪魔して来ました。
穏やかな春の日で天気にも恵まれて絶好のショートトリップになりました^^
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ちょうど合田佐和子さんの作品を見たいと思っていたので高橋先生の素晴らしいコレクションで拝見できて嬉しかったなぁ。
いつか作品が手元に欲しいと思える作家さんの一人です。
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私は今回は「Madeleine」を出品していただいています。落合多武さんの素敵なドローイングのお隣。そして合田さんのお近く♪
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「Madeleine」は自分でもとても気に入っている作品で、再会できるたびに嬉しい。
2013年にパリに帰郷した際、友人に連れられて行く先々にマドレーヌ(マグダラのマリア)の聖遺物や関連のものに出会ったので、日本に帰国後そのご縁を形に残そうと描いた作品です。
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マグダラのマリアを意味するスカルを携えた若い女性、お菓子のマドレーヌのような楕円形のパネル(それに呼応するような女性とスカルのオーバルな輪郭)、美味しそうなきつね色のやはりお菓子のマドレーヌを想起させる背景色など、二重三重にマドレーヌの意味をかけました。
手を描くのって本当に複雑で骨折りなのだけど、この作品ではとても綺麗に描けています。柔らかい髪の毛や、肌、唇の質感も良く描けているので観に行かれる方ぜひ注目してみてください。

マリアマグダレーナとかマドレーヌってヨーロッパの女の子にわりといる名前だけど、やはりキリスト教世界の国だし本人たちはあまり自分の名前を好きじゃないみたい。娼婦であることを否定する説もあるけど、やはりその名前を与えられた女の子たちは気になる模様。
文脈から切り離されたファーイーストの人間には魅力的な名前に思えるのだけどね。

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ランチは清春芸術村から歩いてすぐのおそばの有名店で。
田舎蕎麦のざる美味しかった〜!お蕎麦大好き。お店の雰囲気も最高。

桜もだいぶ咲き始め、すっかり春ですねぇ
今朝は真っ白で大きくてふわっふわのうさぎが夢に出てきました。あんまりにキュートで夢の中の私がちゅーを迫るほど笑
ベルリンの大学では春になると茶色い穴ウサギが子供を連れてアトリエに遊びに来ていました。都会のど真ん中の公園内に油絵科のキャンパスがあったのだけど、あまりに自然に周囲にウサギがいる様子にヨゼフ・ボイスが茶色い野ウサギをよくモチーフにしていたことに深く納得したものです。

あーーーーーヨーロッパが恋しい。帰りたい!!(涙)
ハンブルガーバンホフミュージアムやゲメールデギャラリーに行って本物のアートと触れたい。
旅に出たい。異邦人になりたい。

最後に清春村のルオー礼拝堂のステンドグラスの下の解放された扉の奥の風景がスーラー絵画のような写真を置いておきます
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毎日新聞 絹谷賞特別対談

Tuesday, March 13, 2018

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昨日の毎日新聞朝刊に第十回絹谷幸二賞特別対談の記事が掲載されました。
ウェブでも読めますので、ぜひどうぞ。
紙面のPDFもこちらのページ内リンクから見ることができます^^

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今回第十回を持って絹谷賞は終わるということで、ご縁も深かった賞の最後を見届けたく昨日は授与式にも参加させていただきました。
感謝の気持ちが第一、しかし寂寥感も少々。
私自身は幸運にも作家一本で生活できていますが、それはこのような賞を受けたりと、たくさんの方の応援があったからに他なりません。
その中でも受賞後も東京はもちろん、京都や大阪、そして箱根での展覧会にも必ず毎日新聞さんは取材に来て記事を書いてくださって、絹谷先生もスピーチでおっしゃっていましたが本当に足を向けて眠ることができません!笑

三年間多摩美で教えた中であまりにたくさんの学生が絵を描いて暮らしたい、作家になりたいと言うので驚いたのですが、私が学生だった時よりはるかに美術家志望の若者は増えていると実感しています。
しかしそれに反比例するように、その若い才能を認め世に出す契機となる美術賞は減少傾向です。
絵画はまだそれでも恵まれている方ですが、インスタレーションなどを評価する大型の美術賞もまだまだ足りない状態です。
もちろん、芸術家は誰もがなれるものではなく、奇跡的に色々な要因や環境が揃って初めて才能が開花します。なので誰彼構わず支援すればいいとも思わないのですが、今の日本の、とりわけアーティストを育てる環境にはまだまだ余地があるようです。

対談で桑久保徹さんもおっしゃっていましたが、絹谷賞の受賞作家は非常に公正に選ばれ、レベルは高く、個展やグループ展での展示全体に対する賞なので、単発の作品だけでの評価の場合そもすれば取りこぼされる才能も拾い上げることができます。
まるでミシュラン調査員のようにいつの間にか展覧会に選考員がやって来ていて(私は高階秀爾先生のご推薦でした)、ある日突然毎日新聞社さんからノミネートを告げる連絡を受けるのですが、そういった意味でも賞へ向けた対策や衒いのない純粋な芸術活動そのものに対する評価であることが、特出した素晴らしい点でした。
将来10人の絹谷賞受賞者がなにかしらその名前の元に展覧会を開催し、改めて本賞の意義を見せることができる日を待ち望んでいます。
そして美術賞を含む、より多くの芸術家育成や支援の担い手が現れ永続して運営されることを願ってやみません。
先日懐かしい写真を発掘したので、最後に載せておきます♡

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