「ファーストラヴ」島本理生 装丁画

Saturday, July 21, 2018

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欧州旅行記がまだ完結していませんが、お仕事の告知を挟みます^^

高橋コレクションに入っている拙作油彩画「Madeleine」イメージを装丁にお貸ししました。
先日発表された直木賞も受賞され、素晴らしい作品が世に出るお手伝いができて光栄でした。
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Madeleineに関してはここDiaryでも度々触れているのですが、最近だと先日の清春村の美術館での展示の時に書いたもの
完成度が高く、自分でもとても気に入っている作品
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いつもマドレーヌちゃんと呼んでいます。
この時期の私の作品タイトルにはエステルとかクロリスとかフローラとか、だいたい全部女の子の名前をつけていて、我ながらそのセンスを大変気に入っていました。
エステルちゃんも先日とあるすごい作家さまの装丁のカバーガールになったのでまた近々diaryに書きにきますね

装丁の依頼を受ける中で「ぜひ橋爪さんの写真を使わせてください!うちの作家のイメージピッタリです!!撮り下ろしていただけても嬉しいです!!」という連絡をもらったこともあるのですが(苦笑)、ネットでファーストラヴの反応を見ていても割と写真と勘違いされがちですねー悲しい
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毎日コツコツこんな感じにパレット使って描いているのですよ
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パレットや制作の風景はたまにインスタグラムにアップしています

今回は文藝春秋さんとのやり取りの中で最終的にMadeleineの楕円フォーマットを活かした、展示壁面まで使用したデザインを上げていただき、今までにない仕上がりで絵画的な雰囲気を残せたと思ったのですが、それでもなかなか…
買った方、ぜひ帯を取って、カバー全体を眺めてみてくださいね^^
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Berlin,Weimar,Leipzig,Dresden,Prague, Vienna and Krems 2018 #3

Saturday, July 7, 2018

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忙しすぎてなかなか旅行記が進みません。。
気長に続けます^^

三年間ドイツに住んだけど、未踏の地ライプツィヒは素敵な街でした。
一般的にはやはり音楽の街のイメージですよね。
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何と言ってもバッハゆかりのトーマス教会。彼が長く音楽監督を務めたこの教会、かのマタイ受難曲の初演もあったとか。
マタイ受難曲………タルコフスキー「サクリファイス」!!!!
みんなに睡眠をもたらすことでおなじみな映画だけど、泣くほど私は好きな映画。
ここには有名なオルガンが二つあるけど、どちらもバッハが弾いたことはない、彼の死後に作られたもの。
お墓も拝んで来ましたよ。
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もう一つの観光の目玉、ニコライ教会。
ここから始まった東ドイツの平和革命でベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツは統合、冷戦は終結へと。
今でも教会内にはöffnen für alle(open for all)と書かれています。全ての人のために、と。
シュロの木をかたどった列柱がピンクとグリーンの優しい色合いで素敵だった。ローマ・カトリック的な白!金!どや!!って感じの豪華絢爛大聖堂も綺麗だけど、祈りの場所としてはこういった穏やかで美しい教会もいいものです。(無宗教だけど)

5月末とはいえ暑かったドイツ。でも太陽が気持ちいいので地元のベーカリーLUKASでライプツィガーレアヒェという焼き菓子を買ってストリートのベンチで食べました。
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昔レアヒェ(ひばり)が禁猟になった際、その代わりに作り出されたお菓子らしく、このバッテンの塊は縄で縛られたひばりの姿を模したものという生々しいいわれも。
味は…マジパン風味、ちょっと苦手だった笑
中にちょこーんと女性の人差し指の爪くらいの赤いジャムが入っていたのだけど、それもひばりの心臓を表したイチゴジャムと聞いて脱帽。どこまで写実主義なの。さすがデューラーを生んだドイツ…
この生々しいエピソードがくるくるっと丸めて添えられて袋詰めされて売られている様子がとってもかわいかった
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春から初夏にかけてのドイツではお馴染みのいちごの家も久しぶりに見れた。キロ単位で売られているいちご、飛ぶように売れてベンチで休んでいる間にお店が閉まってしまうほど。
ドイツ人て男女共にゴツいのに、こういう意匠はやたらメルヒェンで可愛いの本当に不思議。
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先ほどライプツィヒといったら一般的には音楽、と書いたけど、美術家にとってはアートも熱い街。
私がドイツ留学中にはネオ・ラウホを中心としたライプツィガーシューラー(ライプツィヒスチューデント)が大盛り上がりの時期で、旧東独らしい陰気で人工的な悪い夢みたいな独特の世界観がニューヨークやヨーロッパの市場でもてはやされていました。
日本で人気の欧州のペインターといったら00年代初頭から未だに学生たちが揃って口にするピータードイグで止まってしまっているけど、欧米のマーケットではドイグはもはや過去の人すぎて、未だにライプツィガーシューラーすら輸入されてこない日本のアートの遅れぶりが顕著
だからこうしてたまにキャッチアップのため欧州に赴く必要があるのですよね。ネットや雑誌では全くわからない。そもそもアートは肉眼で見ないと意味半減ですし

そんなライプツィヒの現代美術の中心的美術館はマルクト広場すぐにあるライプツィヒ造形美術館MdbK。
ここでは去年亡くなった地元の作家アルノー・リンクの回顧展が観られました。
近年は画風が団体系の作家のようになってしまっていて、新しいものより過去作の方がやはり内容がよかった。
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この美術館、他にもコレクションがすごくって、作者不明だけど私の大好きな「愛の魔法」という絵が観れました!!
ここにあったんだ〜!感動
画集で見かけては憧れていた絵。
様々な寓意や表象にあふれているのだけど、一番好きなのは女性の履いているあまりにもおしゃれなサンダル!なんてかわいいんだ〜〜〜〜〜
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他にもお馴染みクラナッハなど、充実しています。
クラナッハのサイン本当にかっこいいな
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しかしこの美術館の裏の白眉はこれ。
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ベックリン「死の島」
死の島といえば、ヒトラーがベックリン信奉者でベルリンの彼の執務室に飾っていたシリーズ作品。
全部で5枚あるうちの、ヒトラー所有のは現在ベルリンの美術館にひっそりと飾られている。
そしてここライプツィヒにも一枚やはりひっそり黙って飾られていました。
いわくを知らずともすごく怖い絵だと思う。
精神にくる、良くも悪くも気持ちの悪い絵だった。
そう大きくないミドルサイズの作品なのに、心がぐらぐらくる鑑賞体験、観終わった後は混乱の余韻が残ります。
頭の中を整理できないまま絵から離れて振り返ったら美しい死神のような赤毛のおねえさんがじっと観入っていてその景色もまた死の島作品の一部のようだった。

MdbKは現代美術も力を入れているのでもちろんネオラウホのコレクションもたくさん観ることができたし、様々なアプローチの作品が観れるのでオススメです。
ガラス張りの建築もシンプルながら機能美でとても良い。美術品を収納する容れ物としてのアートである建築も、美術館を訪れる際の重要な鑑賞ポイント。
一階カフェ横に展示されていた、このスタンプで子宮の福笑いみたいなの作るプロジェクト面白かった
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ドレスデン編、いつになるかな、続きます!

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