早稲田文学 女性号

Wednesday, September 20, 2017

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届きました♡
早いところで明日本屋さんに並ぶそうです
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とても綺麗な印刷!
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文学ファンとしては伝統ある早稲田文学に図版という形で掲載いただけることが本当に光栄で。しかも川上未映子さん責任編集号という!

みなさま、宜しくお願いします^^

今は年末の台湾での展覧会に向けての制作をスタートさせたばかりだけど、来週はポーラ箱根のインストールやシェル美術賞の審査会等々大忙し。
気分転換にスイーツとかスイーツとかたまにしょっぱいものとか、美味しいもの食べに行きたいな

AERA STYLE MAGAZINE Vol.31

Tuesday, May 31, 2016

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今発売中のアエラスタイルマガジンに「Curtain」が使われています。岸本佐和子さんが翻訳したエドガル・ケレットの「子宮」という小説の扉絵としてなのですが、小説の奇妙な世界観とのマッチングが楽しいです。
ぜひ読んでみてくださいね。

この雑誌の中で鹿島茂さんが寄稿しているページがあるのですが、大好きなバタイユの「マダム・エドワルダ」について触れられています。
大学生の時に読んでほとんど内容を覚えていなかった小説なのだけど、ムッシュ鹿島のおかげで個人的に驚きの発見ができました。
というのも、マダム・エドワルダの舞台になっているパリの街角はまさに私が住んでいたポワソニエ大通りだったのです!登場する娼館があるのはフューシャピンクの地下鉄4番線でおなじみのサン・ドニ。お友だちが住んでいたので、ポワソニエ大通りを下りいつも歩いて通っていた場所。大通りの途中にある”屋根裏のパン”という名前のパン屋さんがとてもお気に入りで、そこのタルトシトラスを手土産にするのが定番でした。ちなみにこのパン屋さん、少し前に麹町に日本初出店して以降贔屓にしています。何度となく通ったサン・ドニ門についても小説の中では言及されているようで、まさかバタイユ小説の舞台に知らず知らずのうちに住んでしまっていたとは、と嬉しい気付きでした。
改めてパリに住むということは私が憧れた仏文文化を地で行くことなのだと教えてもらえたテキストでした。
これを機に再読して、パリを知る前の自分と、知っている今の自分の読後感の違いなどを楽しもうと思います。

このたびはとんだことで

Tuesday, March 29, 2016

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直木賞作家である桜庭一樹さんの文庫本装丁にRed Shoes Diaryシリーズの作品イメージをお貸ししました。文春文庫より発売中です。

素敵な装丁で眺めるだけで楽しいです。水玉柄の靴下に呼応した「桜庭一樹奇譚集」の文字デザインや、靴の色と揃えられた下のテキストなど、作品が本のイメージと感応する様子は装丁画をお手伝いさせていただく時の醍醐味。
この絵はベルリンで描いたもので、ドイツ人の女の子たちの獣性に気圧されてその強烈さを絵画表現に落とし込んだものです。描きながらモチーフの女性に対し「あ、この子は目が一つしかないな」とぼんやり考えていました。構図外の世界に関してはいつも見手の想像に任せているけど、本来足に履くべき靴下や靴を手にはめてしまっている四つん這いのこの女の子は作家個人のイメージでは単眼の獣として描かれています。この絵を見た友人のミュージシャンが「目は一つかもしれないけどめっちゃ良い子っぽい」とも笑 作品は人の数だけ解釈があるなぁと。
先日遠方に住む叔母が欲しい本があり本屋に行ったところ、買う予定だったものの真横に偶然この本が並べられていたそうで(彼女は装丁をやったことを知らなかった)「彩ちゃんに呼ばれたわ」と嬉しそうに電話してきました。そういった突然の邂逅って何度体験しても面白いものです。

ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。

 

short book review 003

Friday, September 28, 2012

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相変わらず図書館通いは続きます。
高い区民税払ってるのが着々と回収できているようで嬉しくもあります笑

今回は多和田葉子氏の「海に落とした名前」

本当に面白かった。そして怖かった。
飛行機事故で記憶喪失になり失念した自分の名前を手探りする主人公。肉体は確かにそこにあるのに名前がないだけで輪郭のぼやける人間存在。他人の故意や恣意に絡み取られまいとするラストでの振る舞いはほとんど狂気。
今年読んだ中ではベスト、と思いました。
表紙はあのピピロッティ・リストの作品だそう!いつもやんちゃな印象の彼女としては意外な渋さ。
表題作以外の短編も全部濃密で、読み始めた頃は数年ぶりに風邪をひき熱でぼやけた頭にはなんともいえないトリップ感がありました。ベルリンが舞台の短編もあって頭に映像が浮かんだな。
多和田氏は前に少し読んだことがあったのだけど、しかり読むのは今回が始めてですっかりファンになりました。こんな素晴らしい作家さんをきちんと知らなかった今までが惜しい。きっとまだまだたくさん知らない作家や面白い本があるのでしょうね。図書館だと本当に気軽に借りて試せるから良い。図書館最高♡

ではそろそろPCを閉じて松浦寿輝氏のエッセイを読みながら寝ることとします。

読書について。

Saturday, September 1, 2012

books
もう発表になりましたが、来年一月から国立新美術館で始まるDOMANI展に出品することが決まりました。お話を頂いたのが六月頃なのだけど、他にもいくつか仕事を抱えていてとにかく毎日休まず必死で制作をしています。今年の夏は浴衣も水着もなかった…もちろん旅行も。。
そんな忙しい私の至福の時間は一日の終わりにベッドの上でする読書。汗と絵の具でべたべたの体もシャワーでスッキリ清潔で、スキンケアも完璧に済ませ、昨日の続きを涼しい部屋で読む時間が忙しい私の唯一の癒し。

読書家としてのキャリアは物心ついた時からで、こうなると本棚もめいっぱい本が並んでいる状態。たまにブックオフなどに引き取ってもらうけど、増える一方で困っていました。
でも考えてみれば、もう日本にいるのだし、読みたい本はわざわざ買わなくても図書館で借りればいいのでは?ということに帰国二年目にしてやっと気付きまして(笑)最近はまた図書館通いを復活させました。
お金はかからないし、本棚を圧迫することもない…なんでこんな素晴らしいこと早く思い出せなかったの私!4年半の欧州滞在ですっかり本は買わないと読めない、と思い込んでた。学生時代は買って自分のものにすることに喜びを感じていたし、借りるという発想自体がなかったな。
今はもうそんな無駄な所有欲も湧かないし、どうでもよい。
むしろできるだけ身軽でいたいからものを沢山持ちたくないのです。

家から歩いて五分程のところに小さな図書館がある。小学生で今の家に引っ越してからずっと変わらない。ドアをくぐると独特の匂いがする/紙にまとわりつく湿度の気配/明るすぎない蛍光灯/どれも懐かしい。
変わっていないようで、きちんと新しい本も入っていて、いくつも読みたい本に巡り会う。
こんな小さな図書館でも友人のタイトルを何冊もみつけて嬉しくなる。残念ながら私が装丁を手がけた本は見当たらないけど。(有名作ばっかりなのに!)
だいたいいつも2冊借りる。そして二週間後の返却期限までに読んでまた借りて帰る、の繰り返し。
私には読みたい本があって、それがまだまだ尽きないということにすごく幸せを感じます。とにかく読書が好きなのだ。万書を読み飽きる、っていう表現があるけど、そんなことは私には永遠に起こりえないし、そんな状態になるとしたら生きることに前向きじゃない時だ。死ぬまで知識欲を持っていたいし、分からないことがたくさんの世の中であってほしい。
学生の頃は近代文学が多かったけど、最近は日本の現代物ばかりを借りています。
特に今は忙しくて疲れているから楽しく読めるのがいいな…と先週借りてきたのが町田康氏の随筆集と、舞城王太郎氏のビッチマグネット。どっちも装丁が素敵。
町田氏の随筆はかなり面白く、声を出して笑ってしまう。何を隠そう高校生時分ナゴム系の音楽に精通していた私は町田町蔵の頃から彼のことを見てきた。パンクロッカーとしての彼のリリックの才覚も大したものだったけど、小説家になってもそれは色褪せない。以前某美術館のパーティーでお見かけしたのだけど、広い会場で誰とも話さずワインを煽っていらっしゃった。その目の強さと孤独感に作家になってもなお一パンクの気概を感じた。
舞城氏は初期作品が好きで、たくさん読んだ作家さん。エンタメ色の強いものや近作はどうもいまいちだけど、初期の数冊はすばらしかった。ビッチマグネットはまだ半分と少ししか読んでないけど、最近の中では一番出色の出来なのではないかしら。技術的な上手さが出てきている。でも正直に言えばやっぱり初期のテクニック無視だけど爆発的な創作性の作品の方が好きだ。この本の装丁がとてもいい。北沢平祐さんという方で、知らないイラストレーターさんだなぁと思って調べたら以前私も掲載されたスペインの画集に彼も掲載されていたことに気付きました。

時間があればもっと本のレビューをここに書きたいのだけど…しばらくは忙しくて難しそうです。
diaryも前回からずいぶん時間が空いてしまいましたね。
そうそう今日9/1は家庭画報インターナショナルの発売日で、私のインタビューが載っています。
書店でチェックしてみてくださいね。

short book review 002

Thursday, March 8, 2012

enjo
最近仕事ばかりでダイアリーのネタになるようなことも少なく、寒いから素敵な靴を履くチャンスも少ないので久々に読書について触れます。

先日、円城塔氏の芥川賞受賞作「道化師の蝶」を夢中になって読破しました。
彼は形骸的な日本文学に飽き飽きで遠ざかっていた私を最初のたった二行で虜に!
難解という意見も多いけど、私にはむしろ脳内スクリーンにクリアに映像が照射される気持ちよさ。まだ日本語にこんな文字列の可能性があったのね、という新鮮な感動がそこにありました。今までのどの日本文学にもなかった空間性が行間に浮遊しています。未踏のものを読み進める快楽で頭がいっぱいになります。
この方はひょっとするとひょっとするかもしれません。
惚れてしまいそう!私はこういうインテリ感丸出しの人に大変弱い。
インタビューなど読むと、やはりというか氏は安部公房のファンだということが分かり、元々物理学を専攻していたことなどによりSF的要素も多分に小説にしたためられています。四角四面に文学文学していなくてとても良い。
同時に私が惹かれた大きな理由として言語論にも深く根ざした小説であることが挙げられるでしょう。
最近めっきり腕は落ちましたが、私は日本語以外に一応ドイツ語・英語・フランス語(得意な順です)を理解します。私のようなマルチランゲージの人間にとって多国籍感がありつつ、言語に対して深い思索が随所に現れている「道化師の蝶」はその複雑なパズルのさばき方にどこか共感を抱きやすいです。
「誰が書いたものか特定されない小説にしたい」と円城氏が語るように書き手の押さえ気味の主体性にアノニマス感がでているあたりがどこか翻訳された外国文学のようで、日本で書かれた小説に思えないなぁと読んでいる最中感じていたら、やはりアメリカに滞在中に書かれた小説でした。納得。
「これはペンです」など魅力的なタイトルの他の作品もぜひ読みたい。
まちがいなく彼は現代日本文学界にあられたニューヒーロー!まだまだ若いし、国際的に大きな評価を受けるのは絶対に時間の問題です!!

もう一方の超話題作家田中慎弥氏の芥川賞作「共喰い」は前者と好対照なほどティピカルでクラシカルな文学然としたたたずまい。
性・暴力・血統の苦しみ・離脱不可能な田舎町・生々しい方言…中上健次をどうしても想起させるけど彼ほどの濃さや宿命もなく、刷新感ゼロ。前時代的にもほどがある。ただ日本文学にほとんど馴染みがなく、しかし読書が嫌いでない人は十分に面白く感じるでしょう。
序盤の冗長で退屈な伏線描写が最後そうなるのね、って構成は見所です。
終盤の描写のスピード感はなかなかだけど、最後の一行はたまらなく蛇足的。山田詠美氏の「息子に生理用品の心配される筋合いはねぇ!」という選評に深く深く共感します。
最終投票で田中氏に一票投じた都知事閣下はこれにて審査員を退役とのこと、誠にご英断だと存じます。
後任の2名に大いなる期待をいたしましょう。
しかし話題性だけでこの小説を読んだ人たちはいったいどういった感想を抱いたのでしょうか。
普段文学に触れない人たちがこの機会に手に取ったという事実は何よりも素晴らしいのですが、よくも悪くもちっともキャッチーな小説じゃないし、いかんせん古臭く泥臭いので、これが最新で最も評価を受けるべき現代日本文学だと勘違いされては残念です。

私が読書をするタイミングはだいたい入浴中と夜寝る前だけなのですが、読書灯だけの寝室の暗闇にまったく適していない本をつい最近読みました。
宮崎勤の「夢のなか」。死刑囚本人による著作です。
しかもこの本を読み始めたその日の夜、数ヶ月ぶりに地震警報が真夜中にけたたましく鳴り、本の内容も相まって酷く怖い思いをしてしまいました!
その内容についてはあまり触れないでおきます。
レビューを書くようなものでもないと思うので。
私もものを作る人間として創作に対しては自分の考えをいくらでも展開できるのですが、ノンフィクションの場合クリティックを差し挟む余地は私にはありません。
ましてやそこに何のてらいもなく淡々と綴る精神破綻をした人間がいる場合、ひたすら傍観者を決め込むしかなく、ただその異様な姿態を遠巻きながらも観察し、一人の人間の業に思いめぐらすことが私なりの関わり方だったりするのです。

読書は私の永遠の情熱であることは間違いなく、好き勝手レビューを書くのはひたすら楽しい。
もっとこの手のエントリー増やして、いつかチャンスがあればこの読書好きを生かした仕事もできれば嬉しいなぁ。
時間があったら私が影響を受けた本などもこれから紹介していくことにしましょう。

Amazon,John Currin そして谷崎潤一郎

Monday, May 31, 2010

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久しぶりに画集をamazonにて買いました。
というのも、パリに移り住んでからというもの一度たりともまともに荷物が届いた事がなく、amazon.frで注文するのがためらわれていたからです。
ドイツに住んでいた時ですら荷物がまともに届かなくて困っていましたが、さすがフランスその比じゃありませんね。
ドイツでは確実にその時間は家にいたのに、インターフォンをならされた形跡もなくいつも不在表がポストに入っており、近所の郵便局まで引き取りに行っていました。受取人の名前が外人だと配達する側も差別的にこういった事を平気でします。
しかし、パリはもーーーっとひどくて、今まで過去数回荷物を送ってもらったのですが、ベルリンからの引っ越し時の16箱すべて赤の他人が受け取り、サインまでして黙って持っていたり(何のための宛名だか。。偶然持ち主を探し当てて、引き取りました)、母がわざわざ送ってくれた去年のビエンナーレのカタログは結局うちに届けられる事なく、どこにいったのやら…
アパルトマンの集合ポストに基本放置される荷物はなくなりやすく、周りも被害が続出しています。
荷物が絶対に届く日本って、奇跡としか言いようがない。

こんな状態なのでとてもじゃないけどアマゾンを利用できず、フランスは画集が高いので我慢していました。
そんな中比較的アマゾン注文に成功している友人に頼み代理でJohn Currinの豪華本を、最近新たに考えている作品シリーズのリサーチとして購入してもらいました。
彼は2000年前後に日本でも名前を聞くようになり、当時の美手帳では会田誠氏と比較などもされていた作家。
一見どこまで本気かわからない人を食った表現も多いカリンですが、経歴を見ればアメリカの超エリートで全部が計算である事も見て取れます。
最近のアメリカの売れっ子作家はみんな軒並みハイパーエリートが多い。彼らにとってアートはインテリジェンスゲーム的な側面もあるのでしょう。ゴッホ系の魂のアーティスト的なアティテュードは時代性に合わないんでしょうね。
あくまで欧州内での話ですが、やはりラテン系の作家は未だにパッションが作品を作るエンジンになっていて、北に行くに従って作品と作家の距離がある。
イタリアやスペインにはVicky Christina Barcelona(去年のウッディー・アレン作品)のアントニオみたいな絵描きが未だに本気で存在している。

とにもかくにもがアマゾンでの注文は渋っていましたが、たまに掘り出し物の画集を見つけては別のところで購入していました。
パリの市内に何店舗かMona Lisaitという本屋があり、そこでは「これ、どこの?!」と言いたくなるようなマイナーな出版社の画集なども格安で売られています。偶然マレを散歩中に見つけて以来なにかとお世話になっていて、画集以外にも面白い洋書が豊富でおすすめです。
それでもやっぱり印刷物の父・グーテンベルグを生んだ国、ドイツの方が本屋は充実していたなぁ。ハンブルガーバンホフ美術館の本屋とか懐かしい。

本といえば、現在寝しなに谷崎潤一郎の春琴抄を読んでいるのですが、面白くて面白くて…!
谷崎は欧州でも人気で、ベルリンのメトロで痴人の愛(独題「NAOMI」)を読んでいる女の子を見た事があります。
こんなにしっとりとした官能の世界を最上の日本語で書き上げる谷崎氏に深く畏敬の念を感じます。未だかつてタイプされた文字に登場人物をここまでリアルに想像させられた事はあったかしら…
すごすぎて読む前にちょっと勇気がいるほど。
ちょうど読み始めた5月23日は作中で春琴の誕生した日でもありました。
美しき盲目の三味線師匠・春琴とその弟子・佐助の絶対的な従属関係の中での愛がどうなっていくのかドキドキしながら読んでいます。自分より若年の幼女・春琴に稽古という名の暴力折檻を受けて夜毎ひぃひぃ泣きながらも献身的に彼女を支える佐助。
痴人の愛のナオミもそういえばおじさん殺しだったな。
春琴は別の弟子の利太郎に傷つけられ、その姿を永遠にとどめるために佐助も自ら盲目になるのですが…
すこしあらすじ書くだけでこの濃度!
谷崎の美意識炸裂です。

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