新作について

Saturday, September 12, 2020

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東京から巡回してただいま大阪の高島屋本店六階美術画廊にてMetropolis2020展に作品を出品しています
新作のle coiffeurはいわゆる髪結いをテーマにした西洋画の伝統モチーフを現代的解釈で描いた作品で会心の出来です
自分でもとても気に入っています
他にも未発表の新作を二点展示しているのでぜひ関西圏の方お越しくださいね
カタログも配布しており無料でもらえます
そちらのカタログに展示に寄せて短い文章を書いているので本作品と展示テーマの関係性について知りたい方は読んでみてください
こちらの文章もお気に入り

単純な図柄のようで今回も一枚描き上げるのにほぼ四ヶ月かかりました
アートは多様であってよいと考えていますが私には今のどんどん消費され時にフリーのデザイン素材のような軽さで扱われていく芸術は向いていないと実感する近年です
どうしたって早描きはできない内容だし3、4ヶ月毎日向き合う作品に自分が疑問や飽きを感じたら完成させることができないため必ずいいものになると確信したイメージしか着手することもできません

本当に大変なんです作品を完成させるということは
時々気が狂いそうになります
人気のあるテーマを少し変えて何枚も描けば欲しい方はいるでしょうし私も楽でしょう
でもそれだと私が作品を完成させるところまで緊張感を維持できないし作品のクオリティも保証できません
私が毎回違う絵を描く理由です

様々な作家がいますが私は私にしかなれません
今後も自分が納得いくまで向き合った作品を発表していきたい

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白の美術館

Wednesday, September 26, 2018

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先週からテレビ朝日で放送されている番組「白の美術館」に出演しています^^
すでにとても反響が大きく、今後の放送も楽しみ!
番組内では今までにないアプローチで作品を作っているのでぜひ観てくださいね。

関東は今夜23:10~23:15テレビ朝日にて。報道ステーションとかりそめ天国の間ですよ〜
名古屋方面はメーテレで明日木曜日深夜0:15~0:20
大阪方面はABCにて明後日金曜日23:10~23:17

BS朝日では10/15(月)にたっぷり30分間もっと濃い内容で出演します。

番組が終わった後すぐにチャンネルを変えずに提供のバックグラウンドの映像にもご注目くださいね♡

「ファーストラヴ」島本理生 装丁画

Saturday, July 21, 2018

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欧州旅行記がまだ完結していませんが、お仕事の告知を挟みます^^

高橋コレクションに入っている拙作油彩画「Madeleine」イメージを装丁にお貸ししました。
先日発表された直木賞も受賞され、素晴らしい作品が世に出るお手伝いができて光栄でした。
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Madeleineに関してはここDiaryでも度々触れているのですが、最近だと先日の清春村の美術館での展示の時に書いたもの
完成度が高く、自分でもとても気に入っている作品
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いつもマドレーヌちゃんと呼んでいます。
この時期の私の作品タイトルにはエステルとかクロリスとかフローラとか、だいたい全部女の子の名前をつけていて、我ながらそのセンスを大変気に入っていました。
エステルちゃんも先日とあるすごい作家さまの装丁のカバーガールになったのでまた近々diaryに書きにきますね

過去に「ぜひ橋爪さんの写真を使わせてください!うちの作家の新刊本イメージにピッタリです!!撮り下ろしなら(以下略)」という連絡をもらったこともあるのですが(苦笑)、ネットでファーストラヴの反応を見ていても割と写真と勘違いされがちですねー悲しい
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毎日コツコツこんな感じにパレット使って描いているのですよ
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制作の風景はたまにインスタグラムにアップしています

今回は文藝春秋さんとのやり取りの中で最終的にMadeleineの楕円フォーマットを活かした、展示壁面まで使用したデザインを上げていただき、今までにない仕上がりで絵画的な雰囲気を残せたと思ったのですが、それでもなかなか…
買った方、ぜひ帯を取って、カバー全体を眺めてみてくださいね^^
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高橋コレクション 顔と抽象展

Saturday, March 24, 2018

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先日オープニングがあったので初めて清春芸術村にお邪魔して来ました。
穏やかな春の日で天気にも恵まれて絶好のショートトリップになりました^^
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ちょうど合田佐和子さんの作品を見たいと思っていたので高橋先生の素晴らしいコレクションで拝見できて嬉しかったなぁ。
いつか作品が手元に欲しいと思える作家さんの一人です。
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私は今回は「Madeleine」を出品していただいています。落合多武さんの素敵なドローイングのお隣。そして合田さんのお近く♪
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「Madeleine」は自分でもとても気に入っている作品で、再会できるたびに嬉しい。
2013年にパリに帰郷した際、友人に連れられて行く先々にマドレーヌ(マグダラのマリア)の聖遺物や関連のものに出会ったので、日本に帰国後そのご縁を形に残そうと描いた作品です。
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マグダラのマリアを意味するスカルを携えた若い女性、お菓子のマドレーヌのような楕円形のパネル(それに呼応するような女性とスカルのオーバルな輪郭)、美味しそうなきつね色のやはりお菓子のマドレーヌを想起させる背景色など、二重三重にマドレーヌの意味をかけました。
手を描くのって本当に複雑で骨折りなのだけど、この作品ではとても綺麗に描けています。柔らかい髪の毛や、肌、唇の質感も良く描けているので観に行かれる方ぜひ注目してみてください。

マリアマグダレーナとかマドレーヌってヨーロッパの女の子にわりといる名前だけど、やはりキリスト教世界の国だし本人たちはあまり自分の名前を好きじゃないみたい。娼婦であることを否定する説もあるけど、やはりその名前を与えられた女の子たちは気になる模様。
文脈から切り離されたファーイーストの人間には魅力的な名前に思えるのだけどね。

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ランチは清春芸術村から歩いてすぐのおそばの有名店で。
田舎蕎麦のざる美味しかった〜!お蕎麦大好き。お店の雰囲気も最高。

桜もだいぶ咲き始め、すっかり春ですねぇ
今朝は真っ白で大きくてふわっふわのうさぎが夢に出てきました。あんまりにキュートで夢の中の私がちゅーを迫るほど笑
ベルリンの大学では春になると茶色い穴ウサギが子供を連れてアトリエに遊びに来ていました。都会のど真ん中の公園内に油絵科のキャンパスがあったのだけど、あまりに自然に周囲にウサギがいる様子にヨゼフ・ボイスが茶色い野ウサギをよくモチーフにしていたことに深く納得したものです。

あーーーーーヨーロッパが恋しい。帰りたい!!(涙)
ハンブルガーバンホフミュージアムやゲメールデギャラリーに行って本物のアートと触れたい。
旅に出たい。異邦人になりたい。

最後に清春村のルオー礼拝堂のステンドグラスの下の解放された扉の奥の風景がスーラー絵画のような写真を置いておきます
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毎日新聞 絹谷賞特別対談

Tuesday, March 13, 2018

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昨日の毎日新聞朝刊に第十回絹谷幸二賞特別対談の記事が掲載されました。
ウェブでも読めますので、ぜひどうぞ。
紙面のPDFもこちらのページ内リンクから見ることができます^^

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今回第十回を持って絹谷賞は終わるということで、ご縁も深かった賞の最後を見届けたく昨日は授与式にも参加させていただきました。
感謝の気持ちが第一、しかし寂寥感も少々。
私自身は幸運にも作家一本で生活できていますが、それはこのような賞を受けたりと、たくさんの方の応援があったからに他なりません。
その中でも受賞後も東京はもちろん、京都や大阪、そして箱根での展覧会にも必ず毎日新聞さんは取材に来て記事を書いてくださって、絹谷先生もスピーチでおっしゃっていましたが本当に足を向けて眠ることができません!笑

三年間多摩美で教えた中であまりにたくさんの学生が絵を描いて暮らしたい、作家になりたいと言うので驚いたのですが、私が学生だった時よりはるかに美術家志望の若者は増えていると実感しています。
しかしそれに反比例するように、その若い才能を認め世に出す契機となる美術賞は減少傾向です。
絵画はまだそれでも恵まれている方ですが、インスタレーションなどを評価する大型の美術賞もまだまだ足りない状態です。
もちろん、芸術家は誰もがなれるものではなく、奇跡的に色々な要因や環境が揃って初めて才能が開花します。なので誰彼構わず支援すればいいとも思わないのですが、今の日本の、とりわけアーティストを育てる環境にはまだまだ余地があるようです。

対談で桑久保徹さんもおっしゃっていましたが、絹谷賞の受賞作家は非常に公正に選ばれ、レベルは高く、個展やグループ展での展示全体に対する賞なので、単発の作品だけでの評価の場合そもすれば取りこぼされる才能も拾い上げることができます。
まるでミシュラン調査員のようにいつの間にか展覧会に選考員がやって来ていて(私は高階秀爾先生のご推薦でした)、ある日突然毎日新聞社さんからノミネートを告げる連絡を受けるのですが、そういった意味でも賞へ向けた対策や衒いのない純粋な芸術活動そのものに対する評価であることが、特出した素晴らしい点でした。
将来10人の絹谷賞受賞者がなにかしらその名前の元に展覧会を開催し、改めて本賞の意義を見せることができる日を待ち望んでいます。
そして美術賞を含む、より多くの芸術家育成や支援の担い手が現れ永続して運営されることを願ってやみません。
先日懐かしい写真を発掘したので、最後に載せておきます♡

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「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」@国立国際美術館 など

Saturday, February 17, 2018

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現在国立国際美術館にて開催中の「トラベラー」展にて、カリンザンダー女史の作品に音声で参加をしています^^
「見せる:オーディオツアー」という彼女が2005年から手がけているプロジェクトを今回は大阪で展開するにあたり、国立国際美術館に作品が所蔵されれている作家たちが自分の作品を音で表現し、約2分間の音声データで彼女のインスタレーション作品の一部を構成します。
音で自分の作品を表現したことが全くなかったのですが、面白い機会なのでなんとか作ってみました。
まだ実際の展示には足を運べていないのですが、どんな感じになっているのかな
ザンダー女史は、私がベルリンで通っていた大学の教授で、直接習ったことはないけれど、友人は彼女の生徒だったりで今回作品に参加できたことがとてもうれしい。

カタログを入手したのですが、めちゃくちゃ面白そう!!
国内外のスター揃いで、なかなかこれだけのかっこいい展示が日本で見られる機会も少なさそうだから是非皆様も行って見てくださいね。
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さて、話は変わりますが連日オリンピックでたくさんの試合が開催されていて私も絵を描きながらテレビから音などを流して楽しんでいます。
昨日フィギュア会場から聞き馴染みのあるイントロが聴こえてきたと思ったら、Gwen Stefaniの「the Sweet Escape」でした。
グウェンは私が中学生の頃からずーっと憧れていた歌手で、昔はオレンジカウンティの歌がやたらと上手なスカバンドのヴォーカルだったのが、ソロで大成功して、ファッションセンスなども手伝いトップセレブになってしましました。
NO DOUBT時代からずっと好きで好きで、ソロももちろん素晴らしくて夢中になって聴いていたのだけど、その中でもやはりAkonと一緒に作ったthe Sweet Escapeは00年代を代表する名曲だと思います。
テイラースウィフトがShake it off出した時「ああ、テイラーってグウェンステファニ好きなんだ」と直感的に感じたのだけど、調べたらやはりコンサートで「the Sweet Escape」のカヴァーをしていました^^これはこれでよいなぁ
2006年の曲で、私がドイツにいた頃よくMTVで流れていたけど、今聴いても全然古びていないどころか、むしろ新しい。
グウェンの曲はノーダウト時代から歌詞も本当に好きです。
the Sweet Escapeでも可愛げがあるんだかないんだか、弱々しく女々しく男の人にすがる女性ではなく、「ずっとあなたにひどくしてきたことを謝らなくちゃいけないわ」と言った次のリリックで「私が床にぶちまけた腐ったミルクみたいに振る舞った理由は、あなたのせい。あなたが冷蔵庫を閉めておかなかったから。」とそこまで反省の色がない。
「もしエスケープできたらそこに私の世界を作るわ。そこではあなたのお気に入りの女の子になってパーフェクトに一緒になれる。ねえそれってスイートじゃない?」と現実でうまくいかなかった関係を空想の世界ではベターにしたい健気さもありながら
「あなたが私から去って行って欲しくないし、あなたを一緒に連れて行きたい」と自分の希望もちゃんと伝える。
「take me with you(連れてって)」ではなく、「take you with me(連れて行く)」なところがグウェンなのです。
youtube見てたらカサビアンが歌詞を男性目線に置き換えて歌っているのを見たのだけど、そうしたら驚くほどに普通の歌詞になってしまいました。笑
冷たくして、ずっとバッドボーイでごめんね。君が冷蔵庫を閉めないから床に腐ったミルクをぶちまけたみたいになったよ。もし逃げ出せたら僕だけの世界を作って、きみと完璧に結ばれる などなど、過去に散々ダメなロック男子が女の子に捨てられそうになっているシチュエーションの歌詞として聞き飽きていたそのもので!笑
呼びかける相手をBoyからGirlに変えるだけでこんなにも意味性が変わってしまうなんて!と、改めてグウェンが歌うことによってフレッシュであった事実が実感できました。

実は先述のザンダー女史のインスタレーションに参加した際に、私が作った音声データの一部にマドンナの言葉を日本語に自分で訳して使ったのだけど、マドンナ同様グウェンも私が素敵と感じる女性像に近い。
世代的に言えばよっぽどグウェンの方が身近に感じることができる分、思い入れもあります。
考えてみれば私はポップ・ミュージックのアーティストからも多大に影響を受けているのだなぁとオリンピックきっかけで再確認できた一件でした。

いつか憧れのグウェンと会うことができますように。

「アルテーミスの采配」文庫本装丁

Saturday, February 3, 2018

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もうじき幻冬舎さんから発売される「アルテーミスの采配」の文庫本装丁に「Toilettes des filles」の作品画像が採用されています。
画像をお貸しするにあたり幻冬舎さんからゲラと単行本をお送り頂き読ませていただいたのですが、本当に面白くて、寝る前と電車の中で夢中になって読んでしまいました笑
さすがイヤミスの女王真梨幸子さま!
普段あまり読まないジャンルの小説でしたが、新しい読書の世界を開いていただけました♡とっても感謝です。
装丁デザインの全貌は本屋さんで直接手にとって見てくださね^^

単行本版では水野暁さんの「Tangential Line」という油彩画が装丁に選ばれていたのですが、なんとその作品は、去年私も「Toilettes des filles 2」を出品した「日本の写実 そっくりの魔力」展(北海道立函館美術館・豊橋美術博物館・奈良県立美術館)に出品されていたのです!
偶然ながらご縁だなぁと、送られて来た単行本を見て感じたのでした。

装丁画に選んでいただくことって本当にうれしいことです。
絵を描くのも命がけだけど、きっと小説を書くことも同様に命がけでしょうし、その大事な作品の表紙に選んでいただくことって何よりも光栄なことと感じているからです。
東京芸大大学院時代、初めて装丁画をやらせていただいた島田雅彦氏「美しい魂」以来度々こういう機会をいただけていますが、今後もこういった素敵な小説との出会いがたくさんありますように!
そしていつかこのように一緒にお仕事をさせていただいた方と実際お会いして色々お話ししてみたいという密かな夢もあります笑
考えてみれば島田さんと高階先生以外はお会いしたことないんですもの。

うちのアトリエ本当に笑えないくらい寒くてとうとう今年はホットカーペットを導入したのだけど、寒さに負けず新作を二枚同時進行で描いています。笑えないくらい身体中が痛い。頭も背中も肩も、寝ても覚めても痛い。。
描いてみたい作品がいつもいっぱいで、手も時間も足りない。毎日最低十時間は描いてるけど少しずつしか進まなくて歯がゆい。絵を描くのは手や腕ではなく肩と脚のフットワークだから座ってたら良い絵なんか描けない、故に一日中立ちっぱなしなので本当に寒いと余計に体にくる。
でも冬の後に春が必ず来るように、一筆ずつ進めていけばいつか気づいたら完成してるものなのですよね。
南国が恋しいなぁ。もう冬服飽きたし薄い生地のワンピース一枚でふわふわ街を歩きたい。そういうお洋服に似合うバッグはやっぱりクロエかミウミウ。ああ、早くシンガポールかジャカルタに行きたい!もしくは南半球、オーストラリアに行きたい。とにかくリゾートワンピが着たいしそれでお出かけがしたい!!!暖かいところでのお仕事待っています。
オーチャードのマーク&スペンサーで買ったグリーンティー&レモン(お気に入り)を飲みながら午後のお仕事を始めましょう。
来月、ちょっとスペシャルな対談があるのでまたお知らせしに来ますね^^

画集「Beautiful Stranger」について

Monday, January 15, 2018

現在、ようやくアマゾンにて正規の値段(税込4,104円)で新品が買えるようになっております。
ポーラ美術館でも売り切れてしまい、様々な場所で欠品が続き一部中古品が高騰していましたが、ぜひこの機会に新品を買い求めください。

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