Tuesday, December 11, 2018
半年かかりましたが、ようやく最後の旅程にたどり着きました笑
遡ること、それは私がドイツに正式に住み始めた年である2006年。(2003年くらいからすでに行ったり来たりしていた)
文化庁の研修が始まるのがその年の9月からだったけど、4月から前乗りしていた私は夏の間にニーダーエスターライヒ州(欧州トップクラスの観光都市ウイーンを擁す、お金持ち州)から招待されてクレムスという小さな町のレジデンスに一ヶ月滞在制作をしたのでした。
このクレムスという町はヴァッハウ渓谷やその他の町とともに世界遺産の一部で、のんびり観光船で下って行くことができます。
まずはウイーンから、修道院で有名な町メルクまで移動し、船着場を目指します。メルク駅からの道のりが思いの外遠く…ゆっくり歩いたら30分くらいかかるかも。
豪華な修道院や可愛い旧市街地に後ろ髪を引かれながら、船の時間ギリギリに船着場に到着。
チケットは船の中で買えました。
ありがたいことに、船の中に置いてあるパンフレットには日本語での説明もあり、とても楽しめました。(私たち以外に日本人観光客はいませんでしたが。)
こんな感じで河畔の歴史建造物などを船窓越しに眺めながらドナウ河クルーズ
クレムスはこの観光船の終点。トップ画がクレムス船着場です。
12年ぶりに訪れるクレムスですが、全ての道を覚えていて、ブランクを感じない記憶の鮮明ぶり。
ここのスーパーで食材買ったな、とか、そうそうここにこんなお店あったな、とか。
ウイーンから電車で一時間の場所でありながら、ちょっとした田舎なので町の人たちは素朴で優しい。
嫌な思いが一度もなく、みんなに親切にされたことしか覚えていません。
とても美味しい白ワインの産地なのだけど、今回は楽しむ時間が持てず残念だったな
AIR(アーティストインレジデンス)は外観が少し改修されていたけれど、しっかりとありました。
認証ショットも撮りました笑
このAIRは最高の住環境やスタッフが揃っている上に、少なくない金額の滞在費もくれて素晴らしい高待遇だったなぁ
滞在中運良く雑誌取材が入り、ドイツ語でインタビュー受けたりと、いいことばかりだった!
AIR前でひとしきり思い出に浸った後は町の真ん中にある公園で一休みし、長い商店街でパンを買ったりしながらクレムスの鉄道駅に向かいます。
何もかもが懐かしい。
十二年前にすごく気になった妙な石像も健在笑
前にAIRスタッフにあの石像は何?と聞いたけど、なぜかあまりはっきりと教えてくれたかった。。
絵葉書にも載っている町の中では重要な石像なのに
この日は夕方頃電車に乗ってウイーンに戻りました。
本当はもっとボリューム多くクレムスの思い出など振り返りながら書きたかったけど、これくらいでおしまいにしないと年内にアップできなさそうで…笑
でも、今回久しぶりにドイツ方面に戻ってみて、住んでいた頃は感じづらくなっていた良い部分がたくさん見えたことは収穫だったなぁ。
年一くらいはドイツにも遊びに行きたいと思えるまでに。
大学院修了とともに文化庁の在研に選ばれて、そこから四年半ヨーロッパに住んだけど、怖いもの知らずの20代半ばで海外に移り住んで色々な経験を積んで本当に良かった。
学生時代から日本ですでに作家として注目されていた私を、周りは「今海外に行くのはもったいない!」と口を揃えて言ったけど、逆に海外に行くなら修了したこのタイミングしかないと思って一念発起。30代以降は作家としてもっと社会的立場ができて、長期で海外に移るのは難しくなると分かっていたから。
欧州でつけた筋肉のおかげで今動けていると心底思います。作家として必要な思考やタフネスを身につけることができた、と。
もしタイムマシーンがあるなら、よく頑張ったあの頃の自分に会いに行ってよしよししてあげたい^^
若い時に海外に行かなくて後悔した人をたくさん知っています。
もしこれを読んでいる若い人がいたら、どんな手を使ってでも外へ出てね。それがあなたの生涯の財産になるから。
あと外国語の勉強は必須ですよ笑
ベルリンに移り住んでおいて「英語が通じない!」って怒ってた某シンガーさんいたけど、もちろん英語は話せた方がいいけど、最低限住む国の言語を獲得する努力は、住まわせてもらう外国人としての礼儀と私は思っている。
どこ行っても英語で押し切る人いるけど、非英語圏では英語が通じないことが当たり前。話せる人いたら超ラッキー!ってくらいのものです。
個人的には、フラ語とドイツ語と英語のおかげで欧州どこに行ってもだいたいの単語などは想像がつくようになりました。
日本に帰ってきてからも、欧州系言語を目にしたら、ふんわり推測で意味がわかることがあり楽しい。
日本人だから当然漢字がわかるので中華系もイケるし、ハングルも一通り読めるようになり、簡単な会話はできるようになったから韓国旅行もそれなりだ。
言語の勉強は自転車と一緒で、乗れない時は並行した不安定な二つの車輪にどうやって乗るのだ!と思うが、乗れてしまえば乗れなかった時のことなど考えられない。つまり、できて当たり前で、特別に感じなくなる。
ゲーテインスティテュートで学び始めた大学院一年時は、ドイツ語を話せるようになることは宇宙人になることに等しいとすら感じた。(つまり、完璧に不可能と感じるくらい難しく思えた)しかし、やってできないことなどないものなのよね〜宇宙人に転生せずともできちゃうものです。
だから海外に興味のある人は本当に諦めずに頑張って欲しい。
そろそろパリにも帰りたいのだけど、仕事が一段落した!さあ!ってエアチケ探し始めたらジレ・ジョーヌの騒動が始まり…しばらく帰れそうにないなぁTT
というわけで、これからバースデーをお祝いしにハワイに一週間ほど行ってきます♡
みなさまも素敵なホリデーシーズンを!
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