Tuesday, March 13, 2018
昨日の毎日新聞朝刊に第十回
絹谷幸二賞特別対談の記事が掲載されました。
ウェブでも読めますので、ぜひどうぞ。
紙面のPDFも
こちらのページ内リンクから見ることができます^^
今回第十回を持って絹谷賞は終わるということで、ご縁も深かった賞の最後を見届けたく昨日は授与式にも参加させていただきました。
感謝の気持ちが第一、しかし寂寥感も少々。
私自身は幸運にも作家一本で生活できていますが、それはこのような賞を受けたりと、たくさんの方の応援があったからに他なりません。
その中でも受賞後も東京はもちろん、京都や大阪、そして箱根での展覧会にも必ず毎日新聞さんは取材に来て記事を書いてくださって、絹谷先生もスピーチでおっしゃっていましたが本当に足を向けて眠ることができません!笑
三年間多摩美で教えた中であまりにたくさんの学生が絵を描いて暮らしたい、作家になりたいと言うので驚いたのですが、私が学生だった時よりはるかに美術家志望の若者は増えていると実感しています。
しかしそれに反比例するように、その若い才能を認め世に出す契機となる美術賞は減少傾向です。
絵画はまだそれでも恵まれている方ですが、インスタレーションなどを評価する大型の美術賞もまだまだ足りない状態です。
もちろん、芸術家は誰もがなれるものではなく、奇跡的に色々な要因や環境が揃って初めて才能が開花します。なので誰彼構わず支援すればいいとも思わないのですが、今の日本の、とりわけアーティストを育てる環境にはまだまだ余地があるようです。
対談で桑久保徹さんもおっしゃっていましたが、絹谷賞の受賞作家は非常に公正に選ばれ、レベルは高く、個展やグループ展での展示全体に対する賞なので、単発の作品だけでの評価の場合そもすれば取りこぼされる才能も拾い上げることができます。
まるでミシュラン調査員のようにいつの間にか展覧会に選考員がやって来ていて(私は高階秀爾先生のご推薦でした)、ある日突然毎日新聞社さんからノミネートを告げる連絡を受けるのですが、そういった意味でも賞へ向けた対策や衒いのない純粋な芸術活動そのものに対する評価であることが、特出した素晴らしい点でした。
将来10人の絹谷賞受賞者がなにかしらその名前の元に展覧会を開催し、改めて本賞の意義を見せることができる日を待ち望んでいます。
そして美術賞を含む、より多くの芸術家育成や支援の担い手が現れ永続して運営されることを願ってやみません。
先日懐かしい写真を発掘したので、最後に載せておきます♡
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