self portrait

Tuesday, July 25, 2017

現在東京芸術大学美術館で開催されている「藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!」に学部を卒業時に提出した自画像が展示されています。
2007年に同じく芸大の陳列館で行われた「自画像の証言」展でも一度展示されている2002年の私。
先日行われたオープニングで二度目の再会を果たしましたが、とても綺麗な保存状態で展示していただけていて感激でした!
この展覧会は芸大130年の歴史を足早かつ的確に一望できる面白い内容になっているのですが、個人的にはやはり自分の作品もある卒業生の自画像コーナーが一番面白かった。
お世話になった教授たちや、日本の現代美術を牽引している諸先輩がたの卒業当時の自画像は本当に素晴らしい日本美術史の資料です。
オープニングで会田誠さんにお会いした時どんな気持ちであの文庫本の自画像作品を制作したのかお聞きできたのだけど、とても会田さんらしくて楽しかったなぁ。
恩師であるO JUN先生の自画像は芸大一年生の時取手の授業で見せてもらったことがあるのだけど、その時やはりご本人から制作秘話(?!)をお聞きしたことを思い出したり。
現在の作品と通じる表現の方もいれば、全く違うスタイルの方もいるけど、描く側の人間、同じ上野の地でエデュケーションを受け、同じような卒制のプロセスを共有しているので、どの作家さんの自画像もふむふむウフフと理解できることばかりでした。

 

卒業当時の私は蝶というモチーフが気に入っていて、卒制本体である150号油彩にもたくさん登場させました。
蝶々は美しい羽を持ちひらひらと飛ぶ優雅な様子が目を喜ばせる反面、昆虫そのものといったグロテスクなディテールも当然持ち合わせていて、その両面性が当時の私の心を掴んでいました。
学部卒業から大学院の一年生くらいの間によく蝶をモチーフにした作品を描いていたのだけど、蝶はメタモルフォーゼする生き物ですよね。
学部から院に進む変化の時期だからこそ、無意識ながら変身の象徴としての蝶を選び描いていたのだと今となれば思います。
あの頃の私は常に自分の作品を良くしたい、変えたいと望んでいて(もちろん今もですが。)ドイツ留学のことばかり頭にありました。美しく変身をして、一箇所に留まることなく自由に移り飛ぶ蝶に憧れていたのでしょう。海外に移り住んで変貌を遂げたいと毎日願っていた時です。
私にとって大学院進学はドイツ留学のための準備そのもので、実際院在籍中に語学留学をし、修了後すぐに文化庁の在研でドイツに渡りました。

2002年の夏、クーラーも設置されていない暑い暑い上野の絵画棟の8階にある第一研究室で、ショートヘアでノースリーブを着て欧州に憧れを持った一人の女の子の描いた自画像が、15年の時間を経て今ミュージアムピースとなっています。
6000枚以上ある卒業生の自画像の中からの選りすぐりの現代作家たちの自画像コーナー、ぜひみなさま足をお運びくださいね。

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