Paris Diary(後半)

Thursday, April 18, 2013

eiffel
ブルゴーニュからパリに戻ってフランス滞在残りの一週間は友だちに会ったり、美術館行ったり、買い物したり。

既出のアルシーの鍾乳洞で古い壁画に触れたせいか、所謂西洋美術的な完成されたアートを見たい気分じゃなくなって、行くつもりだったルーブルやオルセーなどメジャーどころは結局中止。何回も行っててよく知ってるし、普段アトリエでもその手の時代の作品はうんざりするほど画集で眺めているから緊急性が低い。実は行ったことがなかったプチパレで印象派やらロココの作品を見ている間に「今の私が見たいのはこれじゃない!」と気付きました。しかもプチパレに行った目的の一つだったクールベの大作も大部分がオルセーに貸し出されててみれなかったし…。。
美術館に行くことは私にとって半分くらい仕事しているに近い。だから鑑賞中はものすごく集中している。空腹に気付かないほどに!あまり人に邪魔されたくないし、自分のペースで見たい。
プチパレにて一階展示を見終わって地下展示室に下がってすぐに、ひょろっと背の高いフランス人監視員と目が合った。その時すでにちょっとイヤな予感がしたのだけど気にせず一つ一つ作品を見ていく。展示室をいくつも移動するが、どこにいてもさっきの監視員が視界にちらっと入ってくる。とうとうある作品を私が真剣に観察している時に隣に来て「…ボンジュール」と声をかけてきた。こっちは仕事中(ていうかあっちも仕事中!)なのに邪魔されたのが腹立たしくてキッと睨みつけて次の展示室に移動した。一瞬監視員だしなにか私が気になる行動でもしているのでは?とも考えたけど、特に注意する様子も彼にはなかったしあれは純然たるナンパだった。その後もしばらくずっと声かけたげについてまわられて、ぜんぜん美術鑑賞に集中できなかった。悔しい!
プチパレ出た後も歩道で一瞬立ち止まったら向こうからやってきたフレンチにやはり「ボンジュール。どうしたの?」と声をかけられた。ちょっと隙を見せると、いや、話しかけないでオーラ全開にしててもすぐあいつらはぼんじゅーるしてくる。迷惑だ。

プチパレのミュージアムショップではがきを見ていてふと面白いハガキに目が止まった。
荒い造りの木偶に頭蓋骨がぽーんと乗っけられた奇妙なオブジェのはがきだった。「なんか面白いなぁ」と裏返すとケ・ブランリーミュージアムの所蔵と書かれている。
ケ・ブランリーといえばセーヌ河岸に立てられたジャン・ヌーベル建築が面白いプリミティブ・アートの美術館だ。中庭を散歩したことはあったけど、中を見たことはなかった。
次の日がその月の第一日曜日でパリの国立美術館は全部タダの日だからどこに行こうかと考えていたけど、ケ・ブランリーなら混まなさそうだし今の私の見たい物がありそう!ということで翌日出かけた。
行く前Mちゃんにさんざん「あそこは怖いよ〜」と脅されたけど、見たことない物が見たい!という気持ちでいっぱいだった私は晴れた日曜の午後、意気揚々とイエナ橋を渡り左岸へ行った。

それにしても良い建築の美術館だ。展示室に行くまでの螺旋のスロープが柱代わりの巨大なガラスの円柱が所蔵品の倉庫になっているものに沿うように設計され、ぐるぐる上がっていきながら綺麗に分類された民族楽器などを眺られてとてもよい。すごくかっこいい!
予想通り第一日曜日でもぜんぜん混んでいなかった。
Mちゃんの言う通り、アフリカやらアジアやら世界中のヨーロッパ以外の民族の仮面や祈祷に使う魔術的オブジェクトに満ちている。
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西洋美術に普段どっぷりな私には新鮮でたまらなく、本当に面白い。
確かに「これわ。。。」となる本当にヤバいオブジェもいくつかあった。でもとにかく新鮮。日本でこれだけまとまったプリミティブアートを見ることはない。人気ないからだろうなぁ。
鑑賞しているうちにどうしてヨーロッパ人アーティストや知識人たちがこういった第三世界の民族の素朴なものに魅了されたのが分かってきた。成熟したアートにばかり浸っているとある日食傷気味になり、こういった原初的な人間味のあるオブジェを渇望するようになる。今回の私のように。
見れば見るほどアフリカの仮面はモディリアーニそのものだし、クレーの描く仮面のような人間もしかり。積年の謎が解けたようなさっぱり感とやはり彼らの内側から出た表現ではなかったと(識ってはいたけど)知ってしまいちょっとのがっかり感。
ポンピドーに一部移されているブルトンの書斎の再現もプリミティブアートに溢れている。
イブ・サンローランも熱心にモロッコに通って色々な物を買い込んでたしね。
プリミティブアートは人間的で素朴で、だからこそ直接的に強烈な欲望や願望を感じさせて怖い。まったく美しくないけど、悪魔的に惹きつけられる。

三時間ほどじっくり見たら思いがけず疲れていて、美術館併設のカフェに向かった。
ガラス張りの素敵なカフェ。少し温かかったこの日はテラス席にも沢山人が座っている。そのうちの一人がなにか声を上げていたが疲れていた私は気にせず入り口に向かっていった。しかしどうもその声が私に向けられているようで振り向いてみると、二人連れのイタリア人(何故か一目でそれと分かる。)のうちの一人が私に向かって嬉しそうにブンブン手を振りながら「チャオベッラ!チャオベッラ!」と叫んでいる。陰気なぼんじゅーるよりはマシだけど、この時の私に愛想を振りまく元気はない。中途半端に口角を上げて半笑いを見せて私はそそくさとカフェに入った。余裕がある時の私であれば美しくセクシーに微笑み返すくらい朝飯前でとっくに体得済みなのに。
ここのカフェすっごく良い!
セルフじゃないのに高くないし、ガラス越しにエッフェル塔も間近に見える。美術館の庭も木蓮が咲き始め春らしく綺麗なのが見える。頼んだウインナーコーヒーには美味しいマカロンが添えられていた
coffee
体力の回復を待ちつつ写真を撮りまくっていたら、ガラス向こうの席に素敵なパリジャンたちがくつろいでいるのを見つけてしまった♡エッフェル塔とくつろぐイケメンパリジャン、なんて最高のコラボ…

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saimuseum
ありきたりな西洋美術に飽き飽きの私ですが、現代美術はまだ見ぬ表現がたくさんなので今回もjeu de paumeとポンピドーには行きました。
jeu de paumeのAdrian Paciなかなか良かった。映像作品も面白いけど、映像的な軽いペインティングも上手さがある。達者な人だ。
ポンピドーも私が住んでいた時と常設が一新されていて見たことのない作品がいっぱい、というかほとんどで面白かった!今日本で回顧展やってて大人気のフランシス・ベーコンのトリプティック独り占めできるかと思ったけど引っ込められてて拝めず。残念。
pompi
ポンピに行く前にはわざと一駅前のSt.Paulで降りて久々のファラフェルを食べながら向かった。相変わらず超美味♡パリに来たら一度は食べたいもの。
malais

今回買い物ももちろんしましたよ。
でも自分でもびっくりだけど、大好きな靴や鞄を一個も買わなかった!
ていうか自分でセーブしたんです。
高っかい靴と鞄買うお金を少し洋服に回さないと普段着がない!と最近ずっと思ってたので、今回は素敵なドレスなどにも手を付けず、普段着れそうな実用的なパリ服ばかりを購入。大好きなSandroは相変わらず店ごと買いたいほど素敵。高いけど…。majeもなかなか好き。ベージュのカーディガンはみんなに評判。この二つがパリで私が一番買うブランド。さいちゃんcarvenは?とパリの友だちに聞かれるけど、私にはちょっとモードっぽすぎて似合いません。所謂モード系の凝った服ってあまり似合わないんです。

コスメも基礎化粧を中心にざくざく購入。私は旅先で大量に基礎化粧を買い込むので殆ど日本では買いません。だからいつも帰りの荷物は水物のせいで重たい…
あと手荷物用のボストンバッグいっぱいにお茶類を購入。色々なフレーバーのハーブティーや、マリアージュのマルコポーロ、アンジェリーナのチョコフレーバーの紅茶などなど、鞄いっぱいにまるで個人輸入のような規模で買いまくった。制作の息抜きに美味しいお茶は必需品だもの☆
あとは母親に頼まれたエシレバターとかディプティックのキャンドルとかメゾンドショコラとか…
こまごま買い込みました。
ホントはシャネルのパンプスとかサンローランの鞄とか欲しかったよぅ。。
でも次回!また頑張ってお金貯めて買いに行く!

二年ぶりにお友達とも会いました♡
とっても素敵なご飯会を開いてくれたMさんー、いつもおいしいご飯をありがとう!旦那サマも相変わらず優しくてダンディーでした☆
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コレクション明けで疲れてる所来てくれたHちゃん、彼氏ができてハッピーそうなKちゃん、日本でも会うけどMさん(イニシアルM多い。)などなど。
遊んでくれた人たち感謝♡♡

全部は書ききれないけど、駆け足で今回のバカンスを振り返りました。
充電も完了したし、また働かないとね;)
帰国後に手をつけてる新作は今回のフランス滞在がけっこうダイレクトに出ているものになりますよ。
お楽しみに!

12日からシンガポールのミズマギャラリーでグループ展Yamato Dynamicsに参加しています。
今月はバカンスから帰ったばっかりだけど、来月GW後にでも行くこと検討しようかしら。
中学生のときにシンガポール行っただけで、最近はご無沙汰。きっと色々変わっただろうなぁ。
アジア旅行もっともっと行きたい!

Paris Diary(前半)

Saturday, April 13, 2013

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二年近く間があいてしまったけど久々にパリに行ってきました。半月ほど。
この一年くらい、忙しくて忙しくて忙しくて。
締め切りとプレッシャーで心身共に限界まできてて、美術館展示ひとつやって、大きな賞ももらって、G-tokyoも無事成功したことだし少しのんびりしても許されるのではないかと思い急に行くことにしました。

この仕事をしてたら休みを取るのはホント自分次第。
真面目な性格が災いして休むことに躊躇いがちだけど、大人は仕事も遊びも上手くやるもの!と自分に言い聞かせついに決行。
G-tokyo終わった2日後の夜に羽田からパリCDGへ。準備もそぞろな感じで、体調は緊張感でどうにか保っているといった具合。
飛行機の中で見たライフオブパイ面白かった!主役の男の子が虎と漂流する中で、日を追うごとに痩せて日に焼け髪がワイルドに伸びていきカッコ良くなっていくのがよかった笑 最後のオチはいらないのでは?と思ったけど。すごい映画でした。

今回も滞在先は大好きなMちゃん家族のところ。日本ーパリ間でいつもスカイプとメールで私を支えてくれている素敵な女の子。行く前のスカイプで「さいちゃんこっちで風邪引いてもいいからね♪」という優しい言葉どおり、着いて2日後に発熱…一週間近く喉の痛みと戦うことに。帰国した今もちょっと喉の調子が悪い。
パリ寒い!!
東京はすっかり春だというのにパリはまだまだ分厚いウールコートが手放せない寒さ。
フランス人もみんな鼻すすったり、ゴホゴホしたりお風邪ぎみな様子。

でも着いた週末がちょうどイースター休暇にあたるということでMちゃんの旦那サマが一週間と長めに休みを取ってくれて彼らの別荘のあるブルゴーニュに車で連れて行ってくれました。
別荘には私たちより一日早く友人のドイツ人とその彼氏のフランス人も来ていて、大人5人と子供一人の楽しい滞在。
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ヨーロッパ人はみんな個人主義で自由にしていてくれるから一緒に旅行してもとてもらくちん。遊びたい時は一緒に遊んで、一人になりたい時はほっといてくれる。
せっかくのバカンスだというのに私は結局メールで仕事が毎日のように入ってきて、ブルゴーニュでは体調も悪かったせいもあり、暖炉の前でiPadでひたすら日本の雑誌のインタビューに答える羽目に。
フランスに居る間は一切仕事したくなかったけど、そういうわけにもいかなかった。。
2年前のパリでもやっぱりどこかの雑誌のインタビューにメールで答えていた私。完全仕事を離れるバケーションができるのはもっと働かなくてもよくなる年齢で、かつネットのない南の島(?)とかなんだろうなぁ。
あまりの寒さに着込みすぎで膨らんでいる私
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チームフランスが生パスタを製造。左に写るフランス人ダビッドはこの時が初対面だったのだけどあまりの面白キャラに笑いっぱなしだった!フレンチらしいウィットに富んだジョークで皆を爆笑させる素敵な人でした。
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朝はみんなで一時間ほどお散歩
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別荘のある小さな村。空気がきれい
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2日目はイースター本番。お庭にチョコを隠してエッグハンティング
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夜はお隣の別荘にやはりイースター休暇で来ていたグアドループの家族に夕飯に招待されました。
この家のお父さんがとても料理上手で、エビやら辛いソースのお肉やら色々ごちそうを作ってくれて…やっぱり私はフレンチよりこういうエスニックなお味が好き!と思った。
夕飯を待つ間バトミントンしたり
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薪でポテトをアルミ焼き。ものすごい美味しかった
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ブルゴーニュ3日目はみんなで世界遺産の聖マドレーヌ寺院のあるベズレーへ。
私、ここにはこの何年かずーっと行きたかった。
なぜなら私の一番好きな文士バタイユ最期の地だから。
丘の上に立つバジリスクは寂しくも優しい色
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ニーチェに傾倒し無神論者でパリ文壇の異端であり強烈なカリスマだったバタイユがその短い生涯を梅毒で終わらせるまでの9年間過ごした街が「信仰の街」と呼ばれるベズレーだったというのが興味深い。
人口500人に満たない小さな町だけどイースター休暇のおかげでにぎわってました
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バタイユの家
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フランス人の友だちが何度もお店の人などに場所を尋ねてくれたけどあまり知る人がいなかった。メインストリートの中腹でとても分かりやすい場所にあるのに。ベズレーの街にバタイユはあまり歓迎されていないのかな。同じ文士でもノーベル文学賞作家ロマン・ロランの家は博物館まであって祭り上げられていた。
バタイユのお墓
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彼らしいシンプルなもの。発見されるのを厭うように何の装飾も持たずひっそり眠っている。
フランスのお墓ってごちゃごちゃレリーフや愛がなんちゃらってテキストを掘ってあったり、十字架やら天使やらデコラティブなのが普通なのに、名前と生きた年数だけの簡素なお墓。いかにも彼らしくて…
生きているうちはあちこち動き回るから出会うのは困難だけど、死んだら誰でも会いに行けると気付いた。次があったらお花でも供えたい。

ベズレーを後にして更に車で走り、アルシーの鍾乳洞へ。ここは有名なラスコーより古い3万年前の壁にかかれた動物などの絵が見られます。
撮影不可だから写真がないのだけど、私も絵を描く人間として誰が何のために、どうして…と色々考えてしまう。

4日ほどブルゴーニュで過ごし、もう少し滞在する数名を残しMちゃんと私はパリに電車で戻りました。

大急ぎで振り返った旅の前半。
長いからアートとショッピングに明け暮れた後半戦は次回!

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