the beautiful shoes bring me to…

Friday, April 16, 2010

shoes2
昨日木曜の夜、友人から突然のメールであのウィトキンのヴェルニサージュがマレのGalerie Baudoin Lebonであるとう事で急遽おでかけすることに。
三月には彼の作品一枚を生で見たいがために12ユーロも払ってマイヨール美術館にまで行った私。(詳しくはこちら
ヴェルニサージュということはきっと新作もたくさん見れるでしょうし、なにより大スターのご尊顔を生で拝む千載一遇のチャンス!!!きゃ〜〜〜〜〜*
そういうわけで制作を早めに切り上げてお出かけ。
当然の事ながら作品だけでなく作家本人を見ることは、彼の作家性をより深く理解する一助になる。日本であまり見る機会のない作家なのでなんとしてもここは行くしかありません。

最近めっきり外は温かくなって、夜も八時過ぎでもまだまだパリは明るい。
なんか嬉しくて、ツイードのジャケットにスキニーデニム、重たい重たいクロエのパディントンバッグ、足下には最愛のジュゼッペの靴をコーディネート。パリの悪路で痛むのがイヤでずっとしまってあったのだけど、なんか急に履きたくなったの。

会場に入ると、比較的ひろいギャラリー内は10点以上の新作シリーズ「BOGOTA」が並んでいました。相変わらずのウィトキン節も健在なものから、今までになかったテキストが写真の下に加わった新たなフォーマットのものまでありました。正方形を好んで使っていたイメージがあったのですが、不定形の台形型のような作品も数点あり、新たな展開。

しばらく鑑賞していると、意外と小柄で金髪の身綺麗なご本尊がついに登場。
上下黒の洋服に、腕や指にはけっこうごついアクセサリー。
しましまのプリティなめがねが良くお似合いです。まだまだ若々しい。
だいーぶ躊躇したのですが、彼と目があったのでもうこれは行くっきゃない!と思い切り、緊張でうわずりながらも話しかけてみました。
彼はすごく饒舌で、沢山の事をお喋りしてくれました。途中聞き間違いかと思う下ネタがあり、当初の会話からのワープっぷりに混乱しましたが、とにかく素敵な紳士。
そんな中「日本人女性は本当に綺麗だ。みてごらん、つま先までこんなにパーフェクトにして!それに比べてアメリカ人は本当に酷いから…」と彼はジュゼッペの靴に視線を一瞬落とし、その後はまっすぐ目を見てたくさんの賛辞を述べてくださり、あまりの光栄に震えんばかりの喜びに浸る私。ムッシューお優しくていらっしゃる…!!!もちろんサインもいただきました♪♪
時折ふわっと肩に触れてくれる手は暖かでとても男性的だし、なにより手作業で仕事をしている人の厚みが感じられました。私はアクティブでクリエイティブなにおいのする手の持ち主が大好きだ。
はっでもこの手が死んだ胎児の眼球をはさみでぐりぐりと…!
ま、いいか。

ところで彼の息子さんの奥様が日本人だそうで、彼女がとても美しいらしく日本女性にはかなりの好印象をお持ちの様子。
そう、それなのよ!
何が大事って、例え旅行者でも海外に一歩でたら誰しも小さな親善大使、日本代表なのです。
だからきちんとした言葉を喋り(外国語ができなくても最低限その国の挨拶は覚えるとかね。)、身なりを整えて堂々としていれば、ひいてはそれが極東の小さな島国の評価を草の根運動的に上げる効果があるのです。
外で頑張る美しい日本人女性を見ると私も本当に嬉しい。
本当の意味で知的で美しい女性になりたいと、日々努力です。まだまだですが…。
もちろんT.P.Oに合った格好をすることが大前提です。オシャレが本当の意味での命取りになる場所が海外には山ほどありますから、誤解なきように願います。
しかし義父がウィトキンだなんていけてるなぁ そんなのいいなぁ。ぽわわ
それでものすごく可愛がられてお嫁さんひいきなんてされてみたいなぁ。うふふ いいなぁ

なんにせよつくづく、素敵な靴は素敵なところに連れて行ってくれる。
だから靴が好き。痛くても転びそうでも空港のコントロールで毎回引っかかっても、それでも好き。
この日は他にもおいしいワインにタパスとクスクスでお腹いっぱいで帰路につくことができました。
最近ようやく早起きができるようになったのに、週末になるとまた一気に夜更かし生活に戻ってしまう。今週のウィークエンドはいつもより少し早く訪れました。
パリの街も暖かさに釣られて木曜の夜だというのにどこも人が沢山で、みんな冬眠から目が覚めたみたいです。
良い季節になって心から嬉しい。
みなさまも素敵な週末を!

short book reviews #1

Monday, April 5, 2010

she-who-dies
最近読み散らかした本を忘備禄をかねてショートレビュー形式で、取りあえず今日は5作家分を紹介します。
あくまで個人的感想なのであしからず!

シュルレアリスム宣言・溶ける魚
アンドレ・ブルトン著 巌谷國士訳

まー意味不明です。一冊目からこんな事かいてごめんなさい。でもこのわからなさ、頭にはいらなさ加減は夢野久作のドグラ・マグラに匹敵します。だってブルトン自身がこの本を振り返って「人の理解しうる以上に私自身がそれらを理解しているわけではない」と言っているのだから。
なんにしても自動筆記で書かれたこれぞサーリアルの最たる表現とういことだけはよっく判りました。ふんわり理解しておけばよろしい作品かとお見受け致しましたよ、リーダー。


der Vorleser
Bernhard Schlink

ケイト・ウインスレットがアカデミー賞とった事で話題になった映画「the reader(邦題:愛を読む人)」の原作版。日本に帰った際にたまたま映画館で見たので、ドイツ語をキープする為に読みました。
内容自体は悪いものではありませんでした。感想としては、男の人にとって初恋の呪縛は永遠なのね…でした。
しかしドイツ語というのはこういうウエットな内容も、どこまでも色気から遠ざかって表現できる希有な言語です。その点日本おいては中上健二という亡き大天才が、日本語でのエロスの表現の臨界点を見せてくれているので安心ですね。
一応文学作品なのでどこもまじめな描写、堅苦しくて読むの疲れちゃいました。

余談ですが、最近ドイツ映画のdas leben der anderen(良き人の為のソナタ)を友だちに勧められて見ました。ナチ時代の秘密警察シュタージにからめたヒューマンストーリーで、こちらはアカデミー外国映画賞作品。
どうもドイツ主題ものでインターナショナルに出てくるものはナチがらみが多いなぁ、と少し考えみたらユダヤ人が造りあげたハリウッドにおいて至極当然のことでした。
それでも近年衰退する一方のフランス映画よりは意外とドイツ映画の方が質のいいものを作っているかも知れませんね。

…しかし邦題ってすぐに「愛をxxx」ってつけて劣情誘うようにしているけど、どうにかならないものかしら。

明暗
夏目漱石

少し前に読んだ上に、日本に本を送り返してしまったので手元になく詳しくかけないのですが、とにかく今まで読んだ漱石の中では私は一番面白かった。絶筆の著であり、意味深なタイトル、太宰のグッドバイもそうだけど、人間という業の深い生き物に対して物書きとして最期に挑んだ迫力があります。あの不気味な手紙はいったい何だったの。
なんせ未完ですから、続きが気になりますが、永遠に判らないのですよね。
海外では三島ほど知られていない漱石ですが、グールドなどの通な芸術家からはしっかりと支持されているようでほっとします。
本当はもっときちんと感想書きたかったな。

アメリカ
フランツ・カフカ

生涯渡米をすることのなかったカフカが全部想像で描いた長編。城、審判と続く三部作の一つ。
不思議なもので、見知らぬ国を描いているのにその空気感が意外と違和感なかったり、でも例によってカフカのちょっとひねくれた箱庭ジオラマ感がやっぱり空想の域を出ていなくて相変わらずのヨーロピアン・ノスタルジーを感じさせたり…そのメランジェが面白い作品です。
インテリドイツ人曰くカフカは「20世紀にドイツ語で書いたベストな作家の一人」とのこと。
でも日本語で読んでも彼の箱庭で迷子になるのに、ドイツ語で読んだら完全にロストしそうなのでカフカはオリジナルにトライする勇気がありません。いや、もしかして文法ががっちりしているドイツ語で読んだ方が意外と明解なのかな??いやいや、でもそこはカフカ、明解なわけがなかろうに…
続けて現在「城」を寝しなに読んでいるのですが、なんとまぁ目の回る描写…
同じく外人でありながらドイツ語で書いたエリアス・カネッティ(1981年度ノーベル文学賞受賞作家)は超憧れの存在なのだけど、これはさらに日本語でも私の程度では理解できそうになく、本を買うことさえためらわされます。だいいち、この人の本全部すごく高い…
「救われた舌」「目の戯れ」「耳の中の炊火」など、とっても読みたいのですが…

でもとても正直に言うと、東欧系の作家は私のテイストではなく、得意じゃないのです。
でもでも仏文とかにはない複雑な人間性や社会の空気を味わいたくて思わず手を伸ばしてしまいます。東欧のあのどうしようもない切ない雰囲気、自信満々のフランスではどこを探しても見つからず、妙にあこがれます。

半島」「花腐し」「もののたはむれ」「あやめ 鰈 ひかがみ
松浦寿輝

この方の小説は、なんというか全般的に私の好みでして…形而上的表現に自分はめっぽう弱いのです。日本から送ってもらう際に文庫化されているものしか重量の関係で選べないので、この4冊しかまだ読んでいませんが、いずれもけっこうなど真ん中です。毎回読み終わるのが惜しいほどに。
個人的好みにビンゴなので感想らしいものも書けませんが、いつだってこの方の新しい小説を読みたいと思ってしまいます。
最近は好きで読むと言うよりは、知識の為に批評本などの堅苦しい本を読むことが多く、その合間にこういうまっとうな文学作品を読むと、えもいわれぬ安堵感と、すーっと内容が入ってくる恍惚を味わいます。つくづく読書脳がリテラライズされてしまっているようです。
半島に関して言えば、私自身運命的な出来事の積み重ねで出会った小説です。何かしらの縁を感じずにいられない事件でした。近年日本で回顧展があったデンマークの画家ハンマースホイを使った装幀も美しい。2007年発売のこの文庫版表紙を見るまでハンマースホイを知らなかったのですが、私自身が2003年にこれに似た絵をまったくの偶然で描いていたことがあり、奇妙なシンクロニシティーを感じました。

他にも様々読んだのに前述の通り日本に読み終わった本を送り返しちゃって、タイトルが出てこない…
それに最近これは!という本に巡り会っていないもの事実。
基本日本語で読みたいので海外にいながらにして良い日本語の本を探すのは困難かつ高くつくし、アンチ電子書籍なのでなかなか難しいです。モニターの光を浴びながらまともに文学なんか味わえませんよ。ケータイ小説とかならベストマッチでしょうけど。

読書は生涯の友と大昔に決めて以来ずっと私の情熱で、たまに文学作品の装丁画に起用していただけることは本当にすごく嬉しいです。
アーティストとして、大好きな文学にこのような形で関われるのを光栄に感じます。
私の作品の性質上女性作家の装幀(画像はこちらこちら)が今まで多かったけど、いつか松浦氏のに選ばれたら幸せだなぁ

私が一方的に好きで読ませてもらっている井嶋ナギさんのブログでたまにブックレビューが上がると参考にさせて貰っているのですが、もしこれを読んでいる方でオススメの本があったらぜひ教えてください。

detoxification in high fever

Saturday, April 3, 2010

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日本で言うところの年度をまたいで、大風邪をひいています。一週間目くらいの今日はだいぶ回復してpcいじれるくらいになりました。
ひさびさに9度以上の熱が出て、かなり焦りました。
数年前オーストリアのレジデンスで備え付けの風邪薬を飲んだところ効き過ぎて丸二日眠り続ける恐怖体験以来、こっちの薬は飲みたくなく、病院にも行きたくありません。保険ややこしいし。
たしかにかなりの体格差のあるゲルマン成人男性に効くようにできている薬を、それと好対照なオリエンタルガールがそのまま飲むのは明らかに間違いですよね。。でもそんなことは飲んで初めて気付くことで、まさかそこまで激しく眠らされるとは思いませんでした。ちなみに寝て起きた時には風邪は治っていたので、確かに効果はありましたが…。
そんなこんなで元来喉が弱くしょっちゅう風邪を引く私は日本のホームドクター処方の薬が手放せません。
「外国に住む時に日本から何を持って行けばいい?」と聞かれると私は薬系(頭痛薬とか簡単な風邪薬とか。)は必ず持って行った方がいいよ!!とゴリ推しします!
他のものは大抵手にはいるしどうにかなるんだけど、薬だけはね。
アイスノンとかこっち売ってないから、仕方なく日本から送ってもらった冷○ピタ張ってしのいだけど、正直なんだかなぁ〜な効き目ですしね。もっとどうにか改良していただきたい。

とにかく寝て寝て寝まくって、布団を何枚にも重ねてむりくり汗をかきまくって、食欲もないからあまり食べずにいたら、なんか体がすっきり。
素晴らしいデトックス効果☆やった〜〜
基本前向きな性格なので、なんでも良いように解釈します!うふふ
明日日曜日はイースターで、再生の時。英語で言えばreborn、仏語でrenaissance(ルネッサンス)だよー!
まさに文芸復興、新生橋爪彩をみなさまどうぞよろしく☆

そういえばこの春で欧州在住5年目に突入です。なんか思いがけずに長く住んでいます。もう本当にヨーロッパのどこの国行っても珍しさも感動も半減で、不感性気味。
「あー教会だねー」とか「あーお城だねー」とかそんなくらいの感想しか抱けず。
住みたての頃は近所の教会にすら感動して友だちに写真を送ったりしてたのにね…。。。
逆に日本に帰ると、
「わお、お寺!シ・ブ・イ!!」とか
「わーいあんこ!ウ・マ・イ(はあと)」とか大喜びできちゃうのに。
コンビニの大福とかみたらし団子ですらすごい嬉しい。
もっと言えばコージーコーナーのジャンボシュークリームですら嬉しい。100円ちょいで買える幸福(しあわせ)…。
だってね、あの形のシューってフランスではとっくに古くてもう作られてないんだよ。
あれがもっと進化したサントノレとか、パリブレストに変化してしまってどこのパティセリーにもないのです!
かつて「一日一シュー」をスローガンに毎日シュークリーム食べていた私にとって、フランスは不毛の地です。エクレアはあるけど、あれはちょっと違うのよね…なんというか優しさが足りない。
いつだって買えるラデュレーのマカロンなど日々ありがたみが薄れ。
ポワラーヌのカンパーニュなんか普通に近所のスーパーで売られてて、感動があまりにない。
all i need is simple chou!
ビヤードパパ カムオンパリス!
あ、でもプティシューの皮だけを量り売りしているシュケットというお菓子(だいたい10個で2ユーロくらい)はすごい美味です。どこのブランジェリーにもたいていあります。

写真のエッフェル塔は、去年撮影したものなのですが、ここまで陰気なあの人気者を未だかつて見たことはあるでしょうか。(ちなみに建築家エッフェルとサイはバースデーが一緒よ)
衆目に晒してこその供養とおもい、公開に踏み切ります。

これだけでは申し訳立たないので去年行った晴天のモンサンミッシェルを。
3月初頭で激寒かったです。
パリから片道四時間半、バスツアーを利用して観光しました。
その時のガイドさんが非常に印象的な方だったのですが、日本に帰った時にその人が元は銀座の画廊で働いていて、私の親友の知人だと判明!
ご縁ですね。
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